2024年4月24日

対人恐怖症克服記23　 ああ・・・彼女が欲しい

 

高校1年の頃から対人恐怖を患っていた私は、とりあえず日大に合格し、4月から大学生になることになりました。

新しい環境に胸を躍らす時期ですが、コミュ障であるため大学生活に馴染めるか不安で仕方がありませんでした。

 

 

彼女が欲しい

 

 

私が入学したのは経済学部・経営学科でした。キャンパスには着飾った女子がたくさんいました。6年間の男子校から抜け出せた感慨深さがありました。

 

目の前に女子が通ると、さらさらとした髪が風にのって、綺麗にながれてきます。

なんてかわいい生き物なのだ・・・
ああ・・・彼女がほしい・・・
彼女がいたら幸せだろうな・・・

私の当面の目標は彼女を作ることで頭がいっぱいになっていました。それは対人恐怖という病を上回るほどの欲望でした。

 

気が付けば足のつま先から頭のてっぺんまで、彼女が欲しいという気持ちで満タンになっていました。

 

 

男子校のハンデ

 

 

春は新歓コンパが盛んな時期です。私は女子が多そうなテニスサークルなどに狙いを定めいくつかのコンパに複数参加しました。

 

しかし、数を打っても全く成果があがりません。すべてのコンパで会話が全くできず、完全なる地蔵と化してしまいました。

 

例えば新歓コンパの席では男子校で通じていた話題が一切通用しないのです。日本プロレス、新日プロレス、総合格闘技、カイジ、と言った会話ができないのです。

 

出てくる話題は、スノーボード、恋バナ、ファッション、芸能ネタです。全く面白くありません。

 

 

チャラ男への羨望と嫉妬

 

 

方や容姿が優れ、押しが強く、自信満々でノリの良いタイプの男子大学生は、およそ神業とも言えるコミュ力を発揮していきます。

「去年さ～スノボいったんだけど、めっちゃさむくてさ～
リフトとまって全然滑れなかったんだよ～」

「えっ？？○○ちゃん達もスノボやるの？？マジで？？」

「まだ滑れるとこあるから来週、行こうよ！
え？？来週予定埋まってるの？
じゃあ再来週は？？」

「まだ予定わからない？
んじゃメアド交換しようよ。
俺のメアドは・・・」

こんな具合で。ものの１０分で次から次へと女の子のメアドをゲットしていくのです。

 

一体全体その自信と、壁の無さは、どこから来るのか謎で仕方がありませんでした。

 

私はチャラ男への嫉妬と羨望を感じていました。悔しいという気持ちもありましたが、純粋になんてすごい男達なんだと感じていました。

 

同時に彼女が欲しいくせに、女子に心を閉ざす自分が嫌になっていきました。

 

 

症状の変化

 

 

1か月ぐらい経つと、私は段々と集団でのコミュニケーションに嫌気がさしていきました。

 

どのコンパに出席しても、毎回同じパターンで何一つ成果を得られず終わってしまうのです。学習性無力感に苛われ、ついにコンパに出席しなくなっていきました。

 

私は大学生活に馴染めないことを悟ると、ますます人と話すことが怖くなっていきました。

 

そして私の対人恐怖は新しステージへと移行してしまうのです。

 

 

 

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・川島達史　1981年生まれ
・公認心理師　精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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