~ 毎月のいじめ対策,教職員向け ~ 毎月のいじめ対策 ③6月
6月にできる対策をご紹介!!
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、非常に天気が不安定な「6月」に注目をし、その6月にできるいじめの対策についてご紹介します。
教育現場では、6月になると天候が不安定になり、普段よりも児童生徒は当然のことながら室内にいることが多くなります。
その上、室内はジメジメしてしまい、以後ことが悪くなり、苛立ちを露わにする人も少なくありません。
そのため、教育現場や家庭では、普段とは少し違った対策が必要になってきます。
6月は天候に注意
6月は、何といっても梅雨入りのシーズンになります。
しかし、今年は例年とは少し様子が違うようです。
気象庁の3か月予報(2019,5,24)の発表によると、
・北・東・西日本では、7月と8月は平年に比べ曇りや雨の日が多い
・3か月間降水量は平年並か多い見込み
・6月は、東・西日本では、平年に比べ曇りや雨の日が少なく、降水量は平年並か少ない
・沖縄・奄美では、暖かい空気に覆われやすく、向こう3か月の気温は平年並か高い
ということです。
つまり、6月のうちから、梅雨の時期に起こりやすいいじめについて対策することで、7月8月の対策にもなる可能性があるということです。
それでは、6月のいじめの特徴について解説をしてきます。
6月のいじめの特徴
6月のいじめの特徴については、梅雨入りをしたことを想定してご紹介します。
学校現場では、児童生徒は雨が降ると当然のことながら、外では活動しません(一部部活等を除いて)。
また、6月にもなるとお互いに慣れが生じてくることにも警戒しなくてはなりません。
それらのことから、以下のようなことが言えます。
・苦手な関係の生徒とも休み時間でも、狭い教室内にいる
・いじめから逃げようとしても限りがある
・イライラしている人が多い
・過剰な冗談をしてしまう
・仲間意識が強くなりすぎてしまう
などが挙げられます。
これらの特徴を把握し、それぞれの特徴にあった対策をすることで迅速に、かつ適切に対応することができます。
これから、それぞれの特徴の解説とその対策についてご紹介します。
6月のいじめ対策
先ほど挙げた6月のいじめの特徴について、一つずつ解説と対策をご紹介していきます。
*苦手な関係の生徒とも休み時間でも、狭い教室内にいる
<解説>
いじめの被害者、加害者に関わらず、なるべくなら苦手な人とは距離を置きたいものです。
しかし、雨が降ってしまい、限られた空間の中に限定されてしまうと、自由に身を守ることができません。
その結果、人間関係がもつれ、いじめに発展・深刻化することが予想されます。
<対策>
休み時間に雨が降っていても、児童生徒が自らの身を守れる環境を作っておくことが求められます。
具体的には、図書室を開放することや自由教室を作るなど、児童生徒の行き場所を作ることが良いと考えられます。
*いじめから逃げようとしても限りがある
<解説>
普段は校庭を逃げたり、校内のどこかに身を潜めて休み時間を過ごす児童生徒がいた場合、その選択筋が一気に半分になると考えてください。
また、校内は走ることが基本的に許されませんので、捕まってしまうリスクが格段に高くなってしまいます。
<対策>
そもそも、いじめがあった場合には教職員に報告するように促すことが必要です。
また、校内では他の生徒もいますので、こういった事態を見つけた場合には報告することも促しておくと良いと考えられます。
そのため、HRの時間などに児童生徒に話をしておくと良いと考えられます。
また、逃げる場合には職員室などの場所を支持しておくと対応もはやくできます。
*イライラしている人が多い
<解説>
児童生徒に限らず、大人もそうですが、湿気がありジメジメしていると気分が悪くなり、イライラする人も少なくありません。
そのため、その苛立ちをぶつけるために、いじめをしてしまう児童生徒も少なくありません。
また、少しのことでもケンカをしてしまう場合もあります。
<対策>
教室内の環境に気を配る必要があります。
雨が入らない程度に窓を開けることや、空調を整えるためにエアコン等の機械を使うなどの工夫をすると良いと考えられます。
いじめが発生したり、ケンカが起きて誰かがケガを負うよりも、少々の配慮で済むのならこちらの方が良く策です。
*過剰な冗談をしてしまう
<解説>
児童生徒同士が、親しくなりそれなりに仲が良くなった頃になります。
この頃には、自分にとっては冗談でも相手にとっては冗談では済まされないものがでてきます。
信頼関係などができていると思い、4月や5月ではやらなかったことをします。
また、これは教職員にも共通し、児童生徒との関係に置き換えても同じことが言えます。
<対策>
児童生徒も教職員も「親しき中にも礼儀あり」という考えを忘れないようにすることが大前提です。
気が緩んでしまう関係になってきている時期だからこそ、改めて伝えておく必要のあることです。
*仲間意識が強くなりすぎてしまう
<解説>
一見、とても良いことに思われますが、とても危険な落とし穴です。
仲間意識が強くなりすぎてしまうことで、個々の自由が奪われてしまうことが多々あります。
もし、少しでも違うことをすればグループから外され、いじめにあることもあります。
全員がそうしたいというのではなく、そうしないといけなくなってしまっている状態です。
<対策>
児童生徒の様子をよく観察することやアンケートを取っていくと見えてくる関係性があります。
また、クラス全体や生徒個人個人の関係図を作っておくことで、目に見える形で児童生徒の様子を観察することができます。
以上のようなことが、6月のいじめの特徴の解説とその対策になります。
また、冒頭にご紹介したように、今年の梅雨は普段とは違います。
そのため、今回の内容は7月・8月にも活用ができます。
いじめが一つでもこの世からなくなること、一人でも傷つく人が減ることを願っています。
場当たりな対策では、本当の解決にはなりません。
そして、6月には多くの学校で行われる学校行事があります。その行事についても、以下でご紹介をします。
体育祭にも影響する
6月といえば、最近では体育祭が開催される時期となってきました。
体育祭では、個人の競技もあれば団体の競技もあります。
特に、団体の競技ではグループや班決めには注意をしてください。
よくある例としては、「騎馬戦で仲の悪い人と組むことになった」というものがあります。
こうなってしまった場合、体育祭は楽しくなくなり、競技自体にもやる気が起きなくなります。
もし、この構成が被害者と加害者のグループになってしまった場合のことを考えると、背筋が凍る思いです。
中には「何か一つの事を達成すると良好な関係ができる。仲直りができる」とやや精神論的な考えもありますが、児童生徒本人からしてみればたまったものではありません。
教職員への信頼もなくなり、そもそも競技に出なくなります。
あまり効果のない精神論的考えは控え、より確実に児童生徒が分け隔てなく、平等に楽しめる体育祭を開催できることが何よりだと考えます。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。
<参考文献>
気象庁地球環境・海洋部 2019 向こう3ヶ月の天候の見通し6月~8月 3か月予報(令和元年5月24日発表)の解説 https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf3/001.pdf (2019,6,9,閲覧)