~ 毎月のいじめ対策,教職員向け ~ 毎月のいじめ対策 ➄8月
8月にできるいじめの対策をご紹介!!
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、大型連休真っ只中の「8月」に注目をし、その8月にできるいじめの対策についてご紹介します。
一般的に、「教育現場は夏休みになって児童生徒がいないから時間あるでしょ」と思われがちですが、そんなことはありません。
連休中でも教育現場は大忙しです。
また、家庭内でも普段学校に行っている子どもたちがいますので、その場でできる親の監督も必要不可欠です。
まずは、8月のいじめ対策が9月からの学校生活にも関わってしまうことについて紹介します。
目次
- 保護者の監督が大きな力
- 様子を慎重に見ていく
- 8月は対処に悩む
- 9月からの学校生活に関わる
保護者の監督が大きな力
8月は、夏休みといった大型連休の月です。
つまり、学校で普段児童生徒を見ている教職員の目がないということです。
そのため、いじめ問題はより一層見つけられにくくなり、対処もし辛くなります。
逆に、普段学校に行っている児童生徒は家庭にいる時間が増え、その分保護者が普段以上に児童生徒を見ています。
つまり、長期の休みの間は「児童生徒を見る時間」が普段とは逆になるということです。
そのため、いじめ対策については普段とは違ったアプローチの仕方をしなければなりません。
定期的に児童生徒の様子を聞いたり、確認するなどのことは今後の予防にも繋がりますので、ぜひ試してほしいと考えています。
では、実際にはどのようなことをすれば良いのか、どのようなことを確認すればよいのかをご紹介していきます。
様子を慎重に見ていく
実際にはどのようなことをすれば良いのか、どのようなことを確認すればよいのかをご紹介していきます。
*児童生徒に変わった様子はないか
学校で教職員が様子を見ているよりも、保護者は児童生徒のちょっとした変化に気付くことがあります。
その変化について情報共有をしておくことも、予防に繋がります。
*児童生徒が何か不安を抱いていることはないか
児童生の抱えている不安について、学校のことが関わっている場合に問題を大きくする前に対処することができます。
*学校で気になっていたことを家族と共有しているだろうか
もちろん、全てを伝える必要はありませんが、情報共有が必要なものは伝えておき、その内容について家庭で困難がないか確認します。
*児童生徒に何か問題が発生していないか
そもそも、現在問題が発生していないか確認する必要があります。
教職員側で対処をしなければならない内容の可能性もないとも限りません。
ひとまずは、この程度で良いと思います。
あまり多すぎると時間も取ってしまいますし、お互いに負担が大きくなってしまいます。
本来であれば、夏休み前にチェックシートとして作ってなどをしておくと、より活用しやすくなるかと思います。
では、実際にいじめなどの何か問題が発生して場合にどのように対処をするのかを考えていかなくてはなりません。
8月は対処に悩む
長期の休みの場合、いじめがおきるとどのように対処をしたら良いのか、特に保護者は迷ってしまいます。
普段であれば、担任の先生に相談して指導等の対処をお願いする流れが一般的ですが、長期休みは様子が違います。
様子が違い、対処に迷る要因は以下のことが予想されます。
*学校内で起きた問題ではない
*相手が他の学校の児童生徒
*相手の年齢が違う
*夏期講習などの習い事先で問題がおきている
*部活動内で問題がおきている
*いじめなのか判断ができない
*児童生徒たちで解決させようと考える
等々のことが考えられると思います。
では、これらの問題に対してどのような対処ができるかを考えていきます。
*学校内で起きた問題ではない
長期の休みは、問題がおきる場所が学校外であることが多いです。
実際に学校にわざわざ連れて行っていじめをするとも考えにくいですし、そもそも学校が休みです。
ここで、いじめについて考えると、いじめの定義から「起こった場所は学校の内外を問わない」とされています。
そのため、場所は関係なく対処するべきものとして、伝えおくことが良いと考えられまし、実際に教職員が対応しなくてはなりません。
普段と同じように良く話を聞いていきます。
*相手が他の学校の児童生徒
いじめの定義では、「一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為」となっています。
つまり、相手が他の学校の児童生徒であろうと、一定の人的関係にあることが重要です。
保護者どうしてはいがみ合いにある危険性が高いため、間に入り相手の学校の先生と協力しながら「問題解決」に向けた対策をします。
*相手の年齢が違う
年齢が違うとしても、いじめはいじめです。
場合によっては犯罪になりえる場合さえあります。
「相手が他の学校の児童生徒」と同じように、一定の人的関係にあることが重要です。
例えば、先輩後輩関係などの場合も考えられるため、間に入って対処していく必要があります。
*夏期講習などの習い事先で問題がおきている
「学校内で起きた問題ではない」と同じように、いじめの定義から「起こった場所は学校の内外を問わない」とされています。
そのため、場所は関係なく対処するべきものとして、伝えおくことが良いと考えられまし、実際に教職員が対応しなくてはなりません。
普段と同じように良く話を聞いていきます。
また、他の学校や年齢が異なることも考えられますが、対応することの対象です。
習い事先の管理等にも相談します。
*部活動内で問題がおきている
こちらに関しては、普段行っているいじめ対策と同じと考えても良いと思います。
まずは、顧問の先生に相談してもらい、連携を図ります。
*いじめなのか判断ができない
保護者の中には、いじめの判断ができず、教職員に判断を任せるケースも少なくありません。
また、「自分が子どもの頃はみんなやっていた。普通のことだ」と誤解してしまっている場合さえあります。
教職員と保護者とで情報共有と帳尻を合わせることの工夫が必要になります。
*児童生徒たちで解決させようと考える
こちらについても、「いじめなのか判断ができない」に似たようなことが言えます。
また、保護者同士でいがみ合ってしまう危険性があるのと同じように当事者同士でいがみ合ってしまうことさえ考えられます。
等々のことが考えられると思います。
長期の休みの場合、いじめがおきるとどのように対処をしたら良いのか、特に保護者は迷ってしまいます。
普段であれば、担任の先生に相談して指導等の対処をお願いする流れが一般的ですが、長期の休みの場合は迷いが生じます。
その迷いに対して適切に対処していき、連携をしていくことがその時おきているいじめ問題だけではなく、今後の予防にもなります。
特に、8月のいじめ対策は9月からの学校生活にも大きく関わります。
次に、9月からの学校生活に影響を与えることについて、ご紹介します。
9月からの学校生活に関わる
8月下旬から9月上旬という時期は、教職員やスクールカウンセラー、教育関係者などにとって、かなり気をつけなければいけない時期です。
教育関係者であれば、この時点で気づいてください。
自殺総合対策推進センター(2018)によれば、
「昭和48年度から平成27年度にかけて、小学校から高校までの通学適齢期の自殺者数について分析を実施した。
分析結果を踏まえ、9月1日という特定の日に限らず、夏休み後半から夏休み明けの時期にかけて、児童生徒の自殺防止に向けた取組を進めていくことが求められる。」
とされています。
もっとわかりやすくするために、下記の表をご用意しました。
年間を通じた全体に占める、日別の自殺者数の 割合は以下の通り(上位3位まで)。
小学校段階 | 中学校段階 | 高校段階 | |||
11月30日 | 1.3% | 9月 1日 |
1.0% | 9月 1日 |
0.7% |
3月10・14・27・28・30日,4月16日,8月28・30日 | 1.1% | 8月 31日 |
0.8% | 4月 11日 |
0.6% |
9月 2日 |
0.7% | 4月 8日 |
0.5% |
(自殺総合対策推進センター『自殺総合政策研究』掲載予定資料より、筆者が一部編成)
この表からもかわるように、8月下旬から9月上旬という時期は、最悪の事態を阻止、予防しなければなりません。
そのためにも、8月中に起きてしまった問題は8月中に解決し、安心して再び学校生活を送ってもらえるようにしなくてはなりません。
休みの間は少人数だったのものが、学校が始まったことで人数が増えたり、状況が悪化することは容易に考えられてしまいます。
また、「学校が始まったら〇〇に会ってしまう」などのことも考えられます。
7月のいじめが9月に持ち越されること、8月のいじめが9月に持ち越されることは、何としても阻止しなくてはなりません。
9月のいじめ対策もすでに始まっているのです。
児童生徒の人生がかかっているといっても過言ではないのかもしれません。
そのためにも、日ごろから情報の共有や連携を心がけなくてはなりません。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。
<資料>
自殺総合対策推進センター https://jssc.ncnp.go.jp/ 2019年8月15日閲覧