~ 毎月のいじめ対策,教職員向け ~ 毎月のいじめ対策 ⑩1月
新年、明けましておめでとうございます。
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、「冬休み明け」や「お正月明け」など、児童生徒にとってはイベント後になる「1月」に注目をし、その1月にできるいじめの対策についてご紹介します。
一般的に、1月と聞くともうすぐで受験や卒業、学年が終わるなど、さまざまなことを考える月です。
まずは、なぜ「イベント後」に気を付けるべきなのかをご紹介します。
目次
- イベント後は危険が多い
- お正月明けにあるいじめ
- 冬休み明けの盲点
- 引き継ぎを視野へ
- 受験勉強はストレス
イベント後は危険が多い
これまで、児童生徒には学校や家庭でさまざまなイベントがありました。
毎月のいじめ対策でもご紹介しているように、イベントにはトラブルもつきものです。
例えば、体育祭や文化祭などといったものでは、児童生徒の関係性を考えてグループを作らないと、トラブルが起きたり、いじめが起きるといったものがありました。
実は、1月は大きな2つのイベントの後になります。
1つはクリスマス、もう1つはお正月です。
お正月については次にご紹介をします。
では、なぜクリスマスという楽しいイベントの後が危険かをご紹介します。
それは、ずばり「プレゼント」です。
実は、そのプレゼントをネタにいじめをしてくる子たちがいます。
具体的には、
・プレゼントの値段をいじってくる
・プレゼントを貶す(けなす)
・プレゼントを奪おうとする
・プレゼントを壊そうとする
などがあります。(栗本の相談事例から編成して抜粋)
ただ、ここで誤解をしてほしくないことは「じゃあプレゼントはなしだ!」というのではありません。
そうすることは、避けてください。
プレゼントは物の価値というものは、その人自身で判断するものです。
受け取った人が「嬉しい」と思える物なら、良いんです。
教育現場では、しばしばこのようなことが起こるため、特に休み時間などは児童生徒の様子を見ておく必要があります。
また、物の価値観についても、話をしておくと良いと思います。
お正月明けにあるいじめ
先ほどは、「クリスマス後」について、ご紹介をしました。
次は、その次にある「お正月」について、ご紹介します。
なぜお正月という喜ばしいイベントの後が危険かをご紹介します。
それは、ずばり「お年玉」です。
実は、そのお年玉をネタにいじめをしてくる子たちがいます。
具体的には、
・お年玉の金額をいじる
・お年玉を使わせようとする
・恐喝
・財布を盗む
などがあります。
(栗本の相談事例から編成して抜粋)
お年玉は、金銭が関わる問題です。
金額については、それぞれの家庭で決めていることなので、個人の自由です。
特に、注意しなくてはならないのが「お金を使わせようとする」・「恐喝」です。
この2つはとても似ています。
「お金を使わせようとする」については、自分の物や相手の物を無理に買わせることです。
「お金持ってるんだから買っちゃいなよ」・「持ってるなら買ってよ」といった具合です。
もちろん、これは応じなくて良いことです。
そして、さらに注意をしておかなくてはならないのが「恐喝」・「財布を盗む」です。
恐喝は犯罪です。
今日までに、恐喝についてはさまざまな事件が起きてきました。
「起きてきた」ということは、起きる可能性が高いことを意味します。
さらに、財布を盗むについては、例えば体育の時間になどに気をつけなければなりません。
事前に教職員の方で預かることやカギのついているロッカーなどがあれば活用を促しておくことが良いと思います。
金銭の関わる問題は深刻なケースに発展する可能性が高いため、慎重に様子を見ていかなくてはなりません。
時には、児童生徒間だけではなく、大人も関与してしまう場合もあります。
警察や弁護士が介入するケースも珍しくはありません。
それほど、大きなことになります。
こちらについても、「じゃあ、お年玉はなし!」としてしまうのは避けてください。
問題の根本的な解決にはなりませんし、何より児童生徒がかわいそうだと思います。
いかに自分を守るか、守ってあげられるか、見守りができるかがポイントです。
冬休み明けの盲点
冬休みは文字通り「休みの期間」です。
学校生活で疲弊してしまった児童生徒にとっては、本来なら心身共に休める期間になります。
そのため、「休めていたんだから、もう学校行けるでしょ」・「嫌な噂や出来事もおさまったでしょ」と思ってしまうケースがあります。
しかし、残念ながら冬休みは短いです。
(*地域によって変動はあります)そのため、事がおさまるには短いのです。
そのため、安易に「休めた」とも言い難いのです。
休み明けや休みが明ける間際に、普段と様子が違う時などは、じっくり話を聞いていくことを心がけていく必要があります。
学校現場では、休みの前の児童生徒同士の関係を照らし合わせながら、行動を観察していくことが必要ではないかと考えられます。
長期休暇のその後については、夏休みの時にもご紹介をしていますが、長期休暇が終わった後やその付近は、いじめの被害者にとっては落ち着いていられる時期ではありません。
また、直接加害者や被害者になっていない児童生徒でも、同じクラスの中で問題が生じている時に「学校には何の問題もなく行ける」とは言い難いです。
早期発見、早期解決のためにも全体を見ていくことが改めて必要です。
引き継ぎを視野へ
1月になると、3学期制の学校では最後の学期になります。
そこで、いじめの問題解決について、「引き継ぎ」を視野に入れいかなくてはなりません。
もともと、いじめ問題はすぐに解決はせず、その後の対応にも注目しなくてはならないものです。
だからといって、「来年度に任せよう」というものではありません。
新年度を迎える時には「解決」していることを前提にしなくては、何より児童生徒やその保護者がかわいそうです。
ここで言う「引き継ぎ」とは、「いじめ問題解消後のケア」のことです。
いじめ問題が過ぎ去ったと思っても、実は児童生徒の心の中では今もなお起きている問題ということは少なくありません。
1~3月にかけて、状況や経緯をまとめておくと、引き継ぎがスムーズになります。
何よりも、児童生徒が安心して学校生活が送れることが一番です。
くれぐれも、児童生徒やその保護者に「引き継ぎをします」と言うことは、この段階では避けてください。
「見捨てられた」と思う可能性がとても高いです。
そうなってしまうと、大切な信頼関係が失われてしまいます。
受験勉強はストレス
1月と言えば、受験生にとっては大詰めの時期です。
受験生本人もその保護者もピリピリしています。
実は、受験生にとって、いじめ被害は相談がし難いものなんです。
「受験に影響が出てしまうのではないか」
「推薦に響いてしまうのではないか」
「内申書はどうなるんだろう・・・」
と、さまざまなことを考えてしまいます。
また、気持ちが不安定にもなっているため、加害をしてしまう場合もあります。
そのため、クラスに受験生がいる場合には、よく様子を見てあげてください。
児童生徒の気持ちを察して、未然防止をしていくことも必要です。
児童生徒が不安定になる時だからこそ、先回りして準備をしておいていきたいところです。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。