~ 毎月のいじめ対策,教職員向け ~ 毎月のいじめ対策 ➅9月
9月にできるいじめの対策をご紹介!!
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、大型連休が終わり、暑さの残る「9月」に注目をし、その9月にできるいじめの対策についてご紹介します。
一般的に、9月と聞くと文化祭や体育祭、進路決めなど学校生活の中では大きな出来事があります。
まずは、9月のいじめ対策は予防の効果が出ることについてご紹介します。
目次
- 予防の効果が出る
- 予防を行う
- 親しい中にも礼儀あり
- 気持ちをできる範囲把握
予防の効果が出る
9月は、休み明けで気が緩みがちになる他、休みの間に起こったことなどもあり、悩みが多様化します。
さらに、中には「そろそろ進路を決めないと。。。」と不安を抱え始めている児童生徒もいます。
このように、悩みや不安が多くなると当然のことながら人間関係において、問題が生じてしまう可能性が高くなります。
普段なら何ともないことが、心の余裕がないことで受け止められないということも大人の社会にもありますが、児童生徒も同じです。
そこで、大切になってくることが「今までのいじめ予防」です。
この「今までのいじめ予防」があること、何かトラブルが生じても「〇〇の時はどうすればいいんだ」と考えることができます。
また、「〇〇先生に相談しよう」と児童生徒の方から教職員に相談がある場合も考えられます。
これは、児童生徒と教職員間で信頼関係ができている証拠です。
カウンセリングで考えると「ラポールが形成されている」ということです。
そのため、日々の業務の中に「児童生徒が話をできるタイミング」を提示してあげると、その促しにつながります。
もちろん、児童生徒からの相談を待つだけではなく、今までのようにいじめの予防・対処・ケアは疎かにしてはいけません。
それでは、この時期まであまり予防ができていなかったり、何らかの事情で児童生徒との信頼関係ができていない場合はどうすればいいのか。
ご紹介をしていきます。
予防を行う
9月には、今までの予防や信頼関係がとても大切なことがわかりました。
そこで、この時期まであまり予防ができていなかったり、何らかの事情で児童生徒との信頼関係ができていない場合については、
まずは以下のことが必要ではないかと考えられます。
*児童生徒が相談のできるタイミングを作る
児童生徒から教職員に相談をしやすくするための工夫です。
よく言われるものが「オフィスアワー」というものです。
HRの時間などに「今日は何時から何時が空いています」と児童生徒に伝えておくと良いと考えられます。
*教職員の失敗談や経験談を語る
人からその人の失敗談や経験談を聞くと、距離が縮まります。
心理学的には「自己開示」の一種です。
教職員と児童生徒との距離を縮めることに有効だと考えられます。
しかし、自分の失敗談や経験談を強要してはいけません。
一人一人違う人間なのですから。
*相談をしてもらったらどのような対応ができるかを伝える
相談を受けていると
「先生に話したところで。。。」
「話しても悪化すると思う」
「先生に話しても無駄でしょ」
といった生の声をよく聞きます。
これは「相談するとどうなるか」が明白でないことが原因の一つです。
また、それがわかっていることで、いじめの抑止力にも繋がります。
*前任の教職員から情報を教えてもらう
児童生徒から情報をもらうことが困難な場合は、やはりすでに知っている人に教えてもらうことが良いです。
その情報をもとに、自身が見てきた今までの児童生徒の気持ちの変化を考察していくと、支援の手掛かりになります。
*担当している年代層の話題を収集する
人は、共通点などがあると親しみやすくなり、話をするキッカケにもなります。
アニメやアイドル、ゲームなどさまざまなものがあります。
無理のない範囲で把握しておくことで、児童生徒との繋がりを作るキッカケになります。
親しい中にも礼儀あり
9月になると、すでにそのクラスになってから約半年になります。
すると、初めて会った頃の距離感がなくなり、とても近い距離の関係になっています(その逆もしかり)。
人との距離が近くなることは、大変良いことです。
距離が近くなったことで連帯感も生まれ、協調性も増します。時には、助け合うことさえあります。
しかし、近くなったことで問題もおこります。
それは、社会生活の中でも起こることですが、「親しくなったからと礼儀を忘れてしまう」ことです。
これは、児童生徒同士の間や児童生徒と教職員との間においても気をつけなければならないことです。
児童生徒同士では、
・冗談が過激になってしまう
・プライベートの境がわからなくなる
・言葉遣いが悪くなる
・強要がましくなってしまう
・仲間意識が強くなりすぎてしまう
などのことが多くあると考えられます。
児童生徒と教職員では、
・油断が生まれてしまう
・冗談で言ってはいけないことを言ってしまう
・児童生徒の襟好みをしてしまう
・偏見が生まれてしまう
・プライベートに干渉してしまう
などのことが多くあると考えられます。
これらのことが原因で、いじめに発展することやクラスの雰囲気にさえ影響を与えてしまいます。
そして、距離が近くなったことで起きた問題はなかなか相談や解決に向けた動きがやり辛いのです。
「友達だから。。。」
「仲のいい人だから。。。」
「ちょっとやりすぎただけだから。。。」
と考えてしまい、解決に向けて動けないのです。
だからこそ、『親しい中にも礼儀あり』という言葉を伝えていかなくてはなりません。
また、自身も気を付けていかなければならないのです。
気持ちをできる範囲把握
9月はさまざまなイベントがあると同時に、気持ちの揺れもあります。
何かのイベントがあるのであれば、その度に児童生徒の気持ちの揺れを敏感に感じ取らなければなりません。
イベント以外にも、時期として進路選択なども関わっていきます。
そのため、児童生徒一人一人の気持ちをできる範囲で把握していくことがカギとなります。
何年生の担当なのか、年齢特有のものはどんなものがあるかなど、事前に予想して準備しておく必要があります。
その準備したものと今までの関係、個人の特性を加味して考察していくことが必要となっていきます。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。