~ 講義・講演会の様子 ~ 青森市教育委員会様へ研修
青森市教育委員会様へ研修
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、青森市教育委員会様へオンラインで「いじめについての研修」を行ってまいりました。
目次
- 今回の研修テーマ
- 受講者様の感想
- 研修をさせていただいて
今回の研修テーマ
私の方から一方的に、いじめについて話すのではなく、「テーマをいただいて、そのテーマに沿って研修」をする形式をとらせていただきました。
そこで、今回はその一部をご紹介します。
テーマ「いじめ防止対策研修講座Ⅲ・子どもの心身の危機に対する組織的な取組と危機意識の高揚〜実践的指導力の向上のために必要なこと〜」
- 国の調査
→令和元年度、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について、専門的視点から生徒指導上の諸課題について検討をしました。
- 相談をためらう
→いじめ問題について、被害者が相談をためらってしまう理由を、統計的結果からご紹介。
理由から、どのように接していくのか、どのような環境を作っていくかをご紹介。
- いじめのサインと対応
→いじめの被害者がどのようなサインを出しているのか、そしてそのサインを見つけた時のどのように対応するかをご紹介。
いじめ被害を抱える児童生徒を一人でも救うためにとても必要なスキルです。
- いじめ授業書の効果
→私と私の師匠がともに作成したいじめ対策のための授業書です。
こちらの授業書について、その効果を研究しましたので、その報告と使い方をレクチャーさせていただきました。
- いじめとレジリエンス
→いじめの教育をする中で、気になること・・・
それは、子どもたちの『レジリエンスの脆弱さ』です。
いじめ問題をより複雑にしているのはいじめる側、いじめられる側のレジリエンスのなさにあるといってもよいかもしれません。
そこで、この問題について考えてました。
- いじめ問題の理論
→いじめについて、さまざまな研究や理論をご紹介
Hazler&Carney(2000):被害にあった子どもが後に加害者になる問題を指摘
橋本(2008):加害行為に及んだ要因の一つに被害者性がある
内藤(2009):いじめを受けた者がいじめを行うことは「癒しの作業」となる
などなど。。。
その他、<ハンナ・アーレント><國分(1987)>などなど。。。
スクールカーストについても触れています。
・受講者様の感想
ここで、受講者様の感想を一部ご紹介します。
このように感想を頂けることは、とてもうれしいことです。
さらに活動を続けていくための原動力になります。
<受講者様の感想>(一部抜粋)
- いじめをする側、される側、それぞれの立場から考え、指導する必要性を強く実感しました。「反省」という言葉でただ謝るだけではなく、私達教師が解決に向けしっかり対応していかなくてはいけないと改めて思いました。
- 最も心に残ったのは、承認の土台を大きくするための手立てです。結果承認、プロセス承認、行動承認は普段から出来る限り行っているつもりですが、意識承認と存在承認は大変難しいので心がけていきたいと思います。レジリエンスを育てるための手立てについて、もう少し詳しいお話が聞けるとよかったです。
- 相談を受けるとき、自己有用感を高めるために、自他ともに「褒める」ことが大切だと感じました。
- 今の子どもたちには、レジリエンスを育てることが必要だと思ったことと、その育て方は難しいものではないと感じたので、本校職員に是非伝えようと思っています。
- 「いじめられている子は相談をためらう」という事実にショックを受けました。そういう相談をしたくてもできない子のために、講師の先生が教えてくださった見逃し厳禁8のヒントに、これから一層気をつけていきたいと思います。また、子どもたちに安心して相談してもらえるように、子どもたちを認め、よい関係を築けるよう努力していきたいと思いました。
- いじめの防止はもちろんだが、予防的対策として子供を褒め、児童承認の雰囲気を形成し、子供の自己肯定感等を育てていくことの大切さを実感した。
- 「いじめる側のケアが済んで初めて解決」ということは忘れられがちですが、重要であることを再認識させられました。
- 相談をためらっている児童が多くいて、理由としてプライドや自分が悪いと思ってしまうことなどがあることがわかりました。普段から相談することができるコミュニケーションやほめて、認める関わりが大切であると感じました。また、学校でよしとされている価値についてもう一度考え直し、一人ひとりの価値観を受け止めスクールカーストを作り出さないようにすることが大切であると気付きました。普段からの相談や環境づくりにも気をつけ、いじめの対応を行っていきたいと思います。
- 講師の方の(人生の)経歴を伺い、本当に真摯にこの研究に取り組んでいることを理解でき、講話の内容がとても意味深いものとしてとらえることができました。しっかりと取り組んでいるつもりでしたが、まだまだ、認識があまいことを痛感しました。今後の指導や先生方への働きかけに生かしていきたいと思います。
- いじめへの対応はとても難しく、両方の立場の子どもへのケアが大切なことがよくわかりました。また、私自身の価値観はこどもの価値観と比べて相違はないかと考えたことがあまりありませんでした。教師年数が長くなってきた近年は、特に自分自身の価値観を見直すことが少なくなっているのではないかと感じました。もっと、子どもの目線で見、認め、褒めて、子どもたちの学校生活を大切にしていきたいと思います。
- 加害者目線の考察、レジリエンス等、参考になった。講話も分かりやすく、講師の栗本先生にとても好感が持てた。もっと、講話を聞きたかった。
- 休憩時間後の後半の講義がとても参考になりました。演習をやったあと、「ほめる」ことの重みが分かったような気がしました。また、いじめの理論も大変わかりやすく興味深かったし、「承認」の在り方も、スクールカーストが学校(つまり私たち教師)が作っている実態もとても興味深かったです。とても有意義な時間でした。
- 令和2年度の全国の自殺者数が499人、今年度は昨年度よりも現段階で増加の推移とのことで、正直驚きました。本講義では最新のデータを基に詳しく、また分かりやすく講義が進められ大変勉強になりました。今の子供達は周囲の目を気にしながら学校生活を送っていることや、悩みや心の不調を抱え重度になってから面談にくる生徒が増加しているなど、現代の生徒の傾向や実態をしっかりと受け止め、生徒理解に努めながら、いじめのない学校をつくっていきたいと思います。
- いじめに対しての危機感や、アンテナは常に張っているように心がけてはいますが、いざ子どもたちを目の前にしたときに、この程度は大丈夫などと思ってしまうのは事実であり、私自身直していかなければならないことでもあると感じた。また、資料の中の授業書も道徳の授業等で活用できそうだったので機会があったら行ってみたいと感じた。
研修をさせていただいて
今回、教育委員会様にいじめについて研修をするということで、内容についてもかなり具体的、かつ実効性のあるものにさせていただきました。
「あれもこれも」となり、最後に話し合いの時間を作りたかったのですが、なかなか難しいですね。
今回は、オンラインでの研修ということもあり、ワークをかなり簡略化して行わせていただきました。
これからの時代、こういったオンラインでの研修や講座・セミナーが増えていきます。
これらに対応するために、私もまだまだ勉強しなくてはなりません。
皆様と一緒に、「教育をアップデート」できたらと思います。
ありがとうございました。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。