~ 講義・講演会の様子 ~ 宮城県宮城野高等学校様へ講演
宮城県宮城野高等学校様へ講演
はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。
私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。
現在は公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。
全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。
大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。
今回は、宮城県宮城野高等学校の学生さんに「いじめについての講演会」を行ってまいりました。
いじめについて、興味・関心がある学生さんたちがいると聞いて「ぜひお話をしたい!」とお引き受けさせていただきました。
目次
- 学生さんからの質問と回答
- 学生さんの感想
- 講演をさせていただいて
学生さんからの質問と回答
私の方から一方的に、いじめについて話すのではなく、「学生さんたちからの質問に答える」形式をとらせていただきました。
高校生とは思えないほど、内容の濃い質問ばかりで、「すでに現場に出ているでは?」と思うほどでした。
そこで、今回はその一部をご紹介します。
<質問内容>(一部抜粋)
- 被害者に親身になって話を聞くことは、被害者の心を安心させることができるが、もし、加害者側にその関係が伝わり、「関係をやめろ」と脅された場合はどうしたらよいのでしょうか。
→素晴らしい視点の質問ありがとうございます。
被害者に親身になって話を聞くことは、本当に素晴らしいことで、正しいことです。
この場合は、話を聞く人は単独で行動せずに、あらかじめ誰か(先生等)と相談したうえで行動をすると良いと思います。
そして、もし脅された場合は、それはその話を聞いた人へのいじめにもなります。
あらかじめ相談していた人に協力をしてもらって、解決に向けて大きく動いてもらうと良いと思います。
- 大人に相談するのは大切だが、被害者がそれを望んでいない場合にどうしたらいいのか。
→この状況、実はとても多くあります。よく調べ上げましたね!
いじめはそもそも、被害者と加害者の間だけで行われているものではありません。
いじめが発生している環境、発生してしまう環境にも問題があります。
つまり、被害者が望んでいなかったとしても、その環境は変えていかなければいじめは多発します。
被害者以外の人がいじめに相談しても問題ありません。
- 相談したとして、いじめがエスカレートしない対処の仕方はありますか。
→見落としがちだけど、実はかなり重要なことです。
これは、いわゆる「仕返し」・「報復」などと言われるものです。
また、「陰湿化する」こともあります。
そのためには、まず相談する時は「〇〇が相談したと言わないでください」等と前置きをすることが実は効果的です。
また、対応する時には「クラスで〇〇という話を聞いた」などという形で他にも「報告をしてくれる人がいるぞ」と感じてもらうことがポイントです。
- 「仲間意識が仲間外れを作る」という言葉をTwitterで見かけて、「友達」という言葉も一種の縛りというか、呪いのように感じるように思うのですが、この言葉についてどう思いますか。
→よく見つけた言葉だと思います。「仲間意識」、一見素晴らしい言葉なのですがその反面を表しています。
仲間意識から、その集団の中では異なることはしてはいけない、異なることを知れば排除されてしまう。
学校、クラスでこのようなことが起こります。
これから国際化が加速していく中で、さらに気を付けていかなければなりません。
個人の特性を殺さない、尊重し合う「柔軟な仲間意識」を作っていくことが大切だと思います。
- いじめの被害者に対して、私たちが良かれと思ってやりがちなことで、逆にやってはいけないことなどかりますか。
→この点は、現場で働いている人でも見落としてしまう可能性のあるものです。
鋭い視点です。
優しさは時として、その人の為にならないことがあります。
いじめの被害者への安易な励ましや優しさはそれを引き起こすことがあります。
一番多い例としては、「色紙などの寄せ書きを渡す」・「『頑張れ』と言う」ことです。
「色紙を渡す」ことは、病気などの理由の時は良いですが、いじめが原因の場合、被害者から見れば「加害者が書いている」「嘘っぱち」「先生に言われたから書かされている」と思い場合があります。
もし、加害者が「みんなで待ってるよ」なんて書いたらもはや脅しですよね。
このように、かなり高度で、かつ鋭い視点でいじめについて問題意識を持っている学生さんたちでした。
将来がとても楽しみです。
・学生さんたちの感想
ここで、学生さんたちの感想を一部ご紹介します。
このように感想を頂けることは、とてもうれしいことです。
さらに活動を続けていくための原動力になります。
<学生さんたちの感想>(一部抜粋)
- いじめについて伺って、教師の対応とクラス内の雰囲気が特に重要であるという印象だった。
- いじめの跡は消えにくく、その原因は私の身の周りにもいくつも存在する身近なものであるというように考えるようになった。
- 今回の研修で、自分がしていることを客観的に見ることも大切だと思った。
- お話を聞いて、いじめについての知識が増え、とても勉強になりました。いじめられている人を、助けるためには自分だけの力だけではなく、担任や学年主任、教頭先生などのいろいろな先生の力を借りて、解決するのが良いと聞いて、ためになりました。
- いじめが原因で不登校になっている生徒に対して、寄せ書きで「みんな待っているよ」などと書いてしまうと、逆効果になってしまうことがわかり、相手の心理状況などをよく考えて、声をかけるように注意していきたいと思いました。
- いじめを対処するためにいじめを身近なものとして考えるように、学校がしっかりと教育していくのが大切だと思いました。
また、たくさんの人に相談できるような雰囲気づくりもしていくべきだと思いました。
- 私は、いじめに関して、人がいる限りなくならないのではないかと考えていました。
事前にいじめについてインターネットで調べてみてもあまり解決に向くようなものもなく、やはりなくすというのは難しいものなのかと感じていました。
しかし、いじめを専門としている栗本先生からお話を聞くと、すぐには難しいかもしれないけど、本当になくすことができるのではないかと心の底から思いました。
- いじめに関する新しい知識を得ることができました。
頂いた資料から、インターネットでは得られなかった事や最新のデータを知る事ができ、事前に私たちで調べ、自分タイでは解決できなかったことに対し、全て丁寧に説明して頂いて自分たちの知識をより一層深めることができました。
- いじめの被害者に私たちがすべき対応の方法は大変ためになりました。
今日学んだことを日ごろの学生生活に活かすとともに、これからのいじめについての研究に役立てていこうと思います。
- 僕は、もっと多くの人にいじめの恐ろしさ、身近さを知ってもらいたいです。
これらの研究を最終的に発表する機会があるのですが、多くの人に他人事のように思われないように、過去にいじめが招いた事件の例を用いて、身近ないじりやからかいが大きな「人災」になり、人を傷つけてしまうのだと、今日のお話をもとに伝えていきたいと思います。
講演をさせていただいて
今回、高校生にいじめについて話をするということで、内容についても学生さんにわかりやすいものに限定をしました。
しかし、あまりにも視点が素晴らしかったので、少し高度なことについても触れさせていただきました。
ご依頼をお引き受けして、本当に良かったと思います。
今回のように、いじめについて関心のある学生さんが増え、それそれがいじめについて考えて、解決や未然防止について活動してくれることを願っています。
ありがとうございました。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
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