アサーティブトレーニング「断りワーク」大人編
アサーティブコミュニケーションコラム①では、アサーティブの基礎を解説しました。当コラムではアサーティブコミュニケーションの具体的な方法やワークを紹介していきます。目次は以下の通りです。
コラム1 アサーティブの基礎
コラム2 段階的主張‐DESC法
コラム3 感謝とセットで断る法
コラム4 価値観ワーク,学校や職場編
コラム5 断り方ワーク,こども編
コラム6 断り方ワーク,大人編
1日1コラムぐらいのペースで、じっくり読み進めてみてください。
今回は、企業研修や市民講座でできるアサーティブトレーニングの手法を紹介します。教育者・トレーナー向けのコラムです。職場で簡単にできるので是非研修などで実践してみてください。
なお大人向けのワークは、以下のコラムの基礎知識が必要となります。読み進める前にそれそれの技法を簡単に振り返っておきましょう。
・段階的主張-DESC法
・アイメッセージ
・断り方,感謝とセット法
アサーティブと断りワーク
断りワークは以下の6つのステップで行います。
1:基本的な知識を学ぶ
まずは先程紹介したスキルの中から練習したい項目を選び、基本的な教材を作成しましょう。ワークの前に研修担当から、解説とお手本を見せておくと効果的です。
なお、当サイトでもサンプル教材を作成しました。ダウンロードできるようにしてありますので、自由に加工してお使いください♪
2:事例を述べる
次に実戦練習で練習していきます。まずは以下のような事例を挙げましょう。
事例
・皆さんは会社の同僚
・4人で高級な飲み屋にいくことに
・あなたは体調が悪い
・お茶とお通しだけしか食べれず
・割り勘になり、一人当たり8,000円
3:ワークの始め方
*4人グループを作る
*幹事役・断り役を決めておく
*1分程度は普通に雑談する
*会計が総額32,000円であると伝える
*一人8,000円である旨を伝える
4:アクションスタート
それでは、実際にワークを始めていきます。研修担当者の人は、
それでは、飲み会も終盤です。幹事役の方、集計してみてください。断り役の人は、DESC法を使って断りましょう。
と宣言します。参加者は各々実践していきます。トレーナーは暖かく見守ります。
5:フィードバック
アクションが終わったら、評価を促していきます。以下の流れで断りができているかを確認するように伝えます。
1.Describe(描写する)
2.Explain(説明する)
3.Specify(提案する)
4.Choose(応答する)
段階的に断ることができていれば、お互いを尊重したアサーティブな自己主張ができていると言えます。
6:役割を変えて繰り替えし
1人ずつ断り役をチェンジして、すべての人がお断りできるように回していきましょう。前の断り役の人が使ったフレーズを1語1句同じにするのはNGです。
最後に解答例を紹介して終わります。
解答例
1.Describe(描写する)
私、実はウーロン茶とお通ししか頼んでなくて1,000円分ぐらいしか食べてません。
2.Explain(説明する)
そのままの支払いは、負担が大きいです…。
3.Specify(提案する)
今回は少しおまけしてもらえると助かります。
4.Choose(応答する)
⇒YESの場合
ありがとうございます!今度自分が多く食べた時は多く支払いますね♪
⇒NOの場合
そうですか…残念です…申し訳ないですが、今回は2,000円とさせてください。
まとめ
断りワークの大人編はいかがだったでしょうか。社員がきちんと主張できると、パワハラなどが少なくなり、風通しの良い職場になります。
その結果、従業員のパフォーマンスや定着率が向上するなどの影響が見込まれます。ぜひ、社内研修などに活用してみてくださいね。
しっかり身につけたい方へ
アサーティブコミュニケーションは、公認心理師による講座で、実際に学ぶことができます。内容は以下のとおりです。
・アサーション権を学ぼう
・断りワークを実際に練習
・アイメッセージ実践練習
・DESC法,自己主張訓練
講師に質問をしたり、仲間と相談しながら進めていくと、理解しやすくなります。🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連