対人恐怖症克服記209 あがり症編20 半年の考察
元引きこもりの私は、25歳の頃にコミュニケーション講座を開催することにしました。最初は失敗ばかりでしたが、どうにか半年間、講座を終えることができました。
吉祥寺教室満席になる
生徒さんも、一時激減してしまいましたが最終的に18人ぐらいとなり、教室がぱんぱんになっていました。
デビューして半年間、私はずっと緊張しっぱなしでした。生徒さんも感じ取っていたと思います。またコミュニケーション能力は生徒さんの方がよほど高かった方もいらっしゃいました。
しかし、それでも生徒さんは続けてくれいたのです。
講義内容は、私なりに練ったものですが、今思えば稚拙なワークも多く、完成度が低く、テンポも悪いものでした。
ただ私は、生徒さんと結構深くかかわっていました。お茶会はもちろん飲み会も全部出席していました。信じがたいことに、朝まで生徒さんと一緒に飲んでいたこともありました。
基本を無視して生徒さんと関わる
臨床心理学的に生徒さんとカウンセラーとは「構造」をしっかり創らないといけないと言われます。「構造」とは
・一定の距離感を保つ
・プライベートと仕事をしっかり分ける
・時間を区切る
・契約をする
などが当たります。私はこれら一切の構造を無視して、生徒さんと関わっていました。これは数年後大学院に通ってから指導教授や臨床心理士の同僚に凄く怒られました。
講座初期のメンバーは私と普通に個人携帯のアドレスを交換していましたし、夜に電話がかかってきて相談にのることもありました。深夜O時でも電話に出て相談にのっていました。
私が行った講座初期の行動は邪道も良いところで、今もし自分の会社に入ってくる講師の方が同じことをしたら、たぶん怒ると思います笑
私は「構造を守る」という基本を一切理解しておらず、とにかく生徒さんと接し続けました。私が行った行動は決して褒められたものではありません。
フィールドワークで見えたもの
あえて学術的な表現を使えば、私は「フィールドワーク」を行なっていたことになります。これは後になって気が付きました。フィールドワークとは、現場で一緒になって活動を共にすることで、心理的な変化を研究するという手法です。
私はカウンセリングという手法においては、まったくもって無茶苦茶だったのですが、その常識を守らないことで、コミュニケーション講座の本質を体で理解していきました。
コミュニティの重要性
生徒さんと関わることでしか見えないものもがたくさんありました。心理的な回復というのは、
「コミュニティの力が非常に大きい」
というものでした。というのも生徒さん同士が仲良くなり、また私自身が仲良くなって馬鹿話をしたりすると、積極性が出てきて、皆さん明らかに前向きになっていたからです。
おそらく私が教えているスキルというのは、「コミュニティ」が強固に機能してやっと、得られるものだと感じたのです。
世間を見ると、技術「だけ」を教える講座はあります。
心理学「だけ」を教える講座はあります。しかし、両方教える講座はほとんどありません。
さらに言えば、コミュニティを形成している講座はありませんでした。
私の中にコミュニケーション講座は
「技術」「心理」「コミュニティ」
の3本柱が原型として必要になることを
肌で感じ取っていったのです。
私は、講座初期「技術」としてはそこまで秀でた講師ではなかったと思います。しかし、心理的な対処の仕方、そしてコミュニティを形成する能力は結構高かったのだと思います。
これは引きこもりから復活したプロセスの全てが学びとなっていて、体感的に作り上げられたものでした。
こうしてコミュニケーション講座は独特の味を出しつつ講座の創成期を歩み始めたのでした。
ここまで「あがり症編」にお付き合い頂きありがとうございました♪
次回は、
「ダイコミュ飛躍→
川島調子に乗る→
そして転落の予兆編」
を連載予定です。
また来てね~~
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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