真面目過ぎる性格を改善する方法
皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「真面目過ぎる性格を改善したい」です。
相談者
33歳 男性
お悩みの内容
私は昔から真面目な性格で、学校や会社でも遅刻したことがありません。高校時代は皆勤賞でした。仕事もきっちりするほうなので評価されてきました。
その一方で、部下が私といるとストレスを溜めていたようで、先日部署移動をしてしまいました。プライベートでは、堅苦しいと言われ、女性にモテません。。
もう少し、砕けた会話ができるようになって、温かい雰囲気のある男になりたいと考えています。ヒントを教えてください。
砕けた会話が苦手だとリラックスした関係を築きにくいですよね。そこで、当コラムでは、真面目な性格の方向けに、堅い雰囲気を改善する方法について解説をしていきます。
真面目な人の長所と短所
まずは自己理解を深めるために、真面目な人の長所と短所を確認していきましょう。以下、真面目に関連する研究を解説しました。気になる項目をクリックしてみてください。
長所
短所
バランスを大事に
このように真面目な人には長所もあり短所もあります。人間関係が充実していて、心理的にも充実している人は特に問題はないでしょう。一方で、
人間関係でトラブルを抱えている
心が休まらない
追い込まれている感じがする
寝つきが悪い
身体の疲れがとりにくい
これらにあてはまる方は、真面目が過剰になっていると推測できます。以下の対策で、行き過ぎた真面目をほぐしていきましょう。
真面目過ぎる‐改善する5つの方法
ここからは真面目過ぎる心理を改善する方法を5つ提案させて頂きます。
①べき思考の改善
②失敗への恐怖を和らげる
③曖昧さ耐性を付ける
④2割サボる意識
⑤ユーモアを取り入れる
⑥身体をほぐす
ご自身でも活用できそうなアイデアをご活用ください。
①べき思考の改善
真面目すぎる人は「○○すべき」「○○しなければならない」といった考え方があります。こうした思考は、「べき思考」と呼ばれており、完璧主義な傾向を強め、メンタルへルスに悪影響を及ぼします。
改善するには、べき思考を緩めた考え方にシフトしていくことが大切です。例えば以下のような例が挙げられます。
会話で失敗してはならない
⇒なるべく楽しく話せればOK
仕事は完璧にこなすべき
⇒80%の完成度でOK
スピーチでは堂々と振る舞うべき
⇒自分の言いたいことをマイペースで言えればOK
このように、べき思考を和らげることで気楽に取り組めるようになります。べき思考の改善については、以下の動画で解説しました。参考にしてみてください。
②失敗への恐怖を和らげる
2つ目は、失敗への恐怖を和らげることです。真面目な人は、失敗してはいけない…、ミスをしてはいけない…という考え方で追い込まれていることがよくあります。
改善するには、失敗するイメージから、うまく行くイメージに変えていくと効果的です。例えば以下のような例が挙げられます。
本番ではミスをしてはいけない
→本番では練習と同じようにすれば
きっと力を発揮できるさ
間違った話題を提供してはいけない
→今日の会話では楽しい話題を皆にはなそう♪
きっと笑ってくれるはずだ
相手を傷つける発言をしてはいけない
→ 相手を思いやる言葉を選ぼう。
お互いに笑顔でいられるように。
自分の意見を押し付けてはいけない
→ 相手の意見にも耳を傾けよう。
いろんな視点が理解できる。
このように、失敗を回避するイメージではなく、うまくイメージに変えると効果的です。失敗してはいけない…と考えることが多い方は以下のコラムを参照ください。
③曖昧さ耐性を付ける
真面目な人は白黒ハッキリつけたがる傾向があります。例えば、テスト70点だったにも関わらず、
100点でないなら自分はダメだ
と考えてしまいます。このように極端に考えてしまうと、はっきしりしない状況だといつもイライラしてしまいます。
一方で何事も気楽に取り組める人は「曖昧さ耐性」があります。曖昧さ耐性とは、曖昧な状況でもそのまま受け流せる心の強さを意味します。例えば、以下のように考えて行きます。
100点じゃなくてはいけない。70点ではだめだ!
→70点も取れた!まあまあでしょう
恋人が今日何をしていたかわからない。報告すべきだ!
→恋愛はミステリアスな
部分があるほうがドキドキするものだ
といった具合に、曖昧な状況を受け止め、ほどほどで良しとするのです。その結果、いつも心に余裕がある状況になります。曖昧さ耐性を付ける方法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
④2割サボる意識
4つ目は、2割サボる意識を持つことです。常に100%の力で生きていては、いずれ体力が底を尽きてしまいます。マラソンで全力疾走するとバテてしまうように、普段の生活でもペース配分を考える必要があります。そこで、
たまには残業をお願いする
2か月に1回ぐらいは遅刻OK
体がキツイ時は休む
など2割ほど手を抜くようにしましょう。
例えば、Googleでは「20%ルール」という規則があり、仕事内の20%は自由にやって良いという取り決めになっているそうです。
ある程度、個人の自由に任せることで新しい発見やアイデアにつながるとのことで導入しているようです。上手くサボる方法をより詳しく知りたい方は以下の動画をご覧ください。
⑤ユーモアを取り入れる
ユーモアを取り入れることは、真面目すぎる性格を柔らげるために非常に効果的な方法です。笑いを意識的に生活に取り入れることで、心に余裕が生まれ、ストレスが軽減される効果があります。
面白い映画やお笑い番組を観る
ギャグマンガを読む
軽い冗談や笑い話を交わす
失敗を笑い話にしてしまう
こうした楽しいやりとりは、自分自身だけでなく、周りの人々との関係をより和やかで楽しいものにします。さらに、ユーモアを取り入れることは、難しい状況や緊張感のある場面でも、少し肩の力を抜いてリラックスすることに繋がります。日々の生活に意識的に笑いを取り入れることで、真面目さに偏りがちな性格を改善していくことが可能です。
⑥身体をほぐす
6つ目は、身体をほぐすことです。過度に真面目な人は、肩に力が入る、顔がこわばる、緊張で汗が噴き出すことがよくあります。身体が力んでいると、心も緊張した状態になり、パフォーマンスが出しにくくなります。
身体をほぐす時によく用いられるものとして、漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)というリラクゼーション法があります。簡単なやり方としては以下の手順で行います。
拳を握ってグーを作ります
ギューッと拳を握ります
ゆっくり緊張をときます
余韻にひたります
このように、筋肉の緊張と弛緩を繰り返すと、力が抜けたことが明確になり、身体と心の緊張もほぐれていきます。体が堅くなりやすいと感じる方は、以下のコラムを参照ください。
まとめ
真面目なことは社会生活を送る上で大切です。しかし、過剰になると、ストレスを溜まり、人間関係でもトラブルを抱えやすくなります。
肩の力を抜いていい場面では、ほぐした考え方も大事にしましょう。皆さんがリラックスした考え方を持ち、柔軟な人間関係を築かれることを願っています。応援しています!
もっと学びたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・適度な真面目になる,べき思考を減らす
・失敗への恐怖を和らげる心理学
・曖昧な状況OK,認知療法
・リラックスした人間関係を築く技術
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連