アダルトチルドレン,機能不全家族を克服する方法
皆さんこんにちは。心理学講座を開催している臨床心理士の竹元、公認心理師の川島です。今回は「アダルトチルドレンの克服」についてご相談を頂きました。
相談者
33歳 女性
お悩みの内容
私は幼少期家庭環境が悪く、父親がアルコール依存症でした。母親は従順で父親の奴隷のように何でもいうことを聞いていました。私は父が怖く、いつもおびえながら過ごしていました。
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その影響からか、人の顔色をうかがう癖がついてしまっています。アダルトチルドレンだと思っています。
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1年付き合っている彼氏がいるのですが、その彼も父と似ている部分があります。お酒が好きで、たまに攻撃的になります。このままでは母と同じような人生になってしまう気がします。
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アダルトチルドレンを克服する方法がありましたらアドバイスがほしいです。
過去の家庭環境が今のご自身に影響している感覚があるのですね。今の彼との関係でも同じことを繰返してしまうのではないかと心配されている様子が伝わってきました。アダルトチルドレンの理解を深め、基本的な対応策をお伝えします。目次は以下の通りです。
①アダルトチルドレンとは
②アダルトチルドレンと共依存
③6つのタイプ
④心理的問題と精神疾患
➄ACの治療,改善法
参考にしてみてください。
①アダルトチルドレンとは何か
まずはじめに、ご自身の状況を整理するために、アダルトチルドレンの特徴や症状をおさえていきましょう。
用語の由来
1955年の頃、アメリカ医療協会がアルコール依存症を初めて病気として認めました。本格的な治療が始まると、ある問題が判明しました。
アルコール依存症の家庭は、家庭環境が荒れている、親と子どちらも心の問題を抱えている、世代間で連鎖する傾向があることがわかったのです。
1969にはカナダでマーガレット・コークが「忘れ去られた子供」[1]という本を出版し、アルコール依存症は親の問題だけなく、子供にも影響が及ぶと主張しました。
1970年代になると、援助者や患者の間でアダルトチルドレンという用語が使われるようになりました。
ACOAとは
アダルトチルドレンには、ACOA,ACODの2つの意味があります。まずは前者から解説していきます。
ACOAとは
「Adult Children of Alcoholics」
の略称です。アルコール依存症家庭で育った人という意味があります。これが古典的な意味でのアダルトチルドレンとなります。お悩みをくださった相談者の方もACOAと考えられます。
ACOAの方は厳しい家庭環境に適応するために
・家族の仲介役をする
・わざと面白く振舞おうとする
・なだめ役に徹する
・とにかく親と関わらないようにする
など、家庭内で緊張を強いられることになり、大人になっても心理的な問題を抱えやすくなります。
ACODとは?
アダルトチルドレンは、元々はアルコール依存症の家庭で育った方を指していましたが、徐々にその概念の幅が広がっていきました。最近では、ACODという用語も使われています。
ACODとは
「Adult Children of Dysfunctional family」
の略称です。
日本語訳としては「機能不全家族」によって育てられた人を意味します。西尾(1995)[2]は機能不全家族について、以下のような家庭で育った人とまとめています。
・よく怒りが爆発する家族
・冷たい愛のない家族
・性的,身体的,精神的な虐待がある
・兄弟間での比較が激しい
・何事も批判から入る
・期待が大きすぎる
・お金,学歴が重視される
このような家庭で育つと、対人関係における基本的な信頼関係を育むことができず、大人になっても他人を信用できないなどの問題を抱えることになります。
②アダルトチルドレンと共依存
アダルトチルドレン,機能不全家族の問題で重要なワードとして「共依存」という用語を抑えておきましょう。
共依存とは何か
共依存という言葉は元々、1970年代後半から、アルコール依存症の家庭に見られる依存的な人間関係に対して使われている言葉でした。その後、アルコール依存症の家庭に限らず、虐待、DV、ギャンブル依存や、依存関係の見られる不健全な人間関係全般においても使われるようになってきています。
共依存関係
共依存には次のような特徴があります。
・過剰な援助で問題が悪化する
・閉じられた人間関係
・非理性的な思考
・一方的な感情表出
例えば、アルコール依存症の父親がいたとします。母親は夫が飲んで暴れることがわかっていながら、夫が飲むためのお酒を買ってくる、など夫の飲酒をある面ではサポートする役割をとっていることがあります。
③6つのタイプ
Kritsberg(1985)[3]は、アダルトチルドレンの6つのタイプを挙げています。
アダルトチルドレンの6つのタイプは、家族内での役割や対人関係によって決まります。
これらの役割は、家族のダイナミクスや個々の子どもの対処方法に影響を与え、成人後にもその影響が残ります。
ヒーロー(英雄)
ヒーローは家族外で成功を収めることで評価され、期待に応えようと努力する子どもです。家族内での緊張を一時的に緩和することもありますが、挫折時には問題が発生する可能性があります。
スケープゴート(いけにえ)
スケープゴートは家族の問題や非行を背負う子どもであり、家族の崩壊を防ぐための「ごみ箱」として機能します。他の家族メンバーがその存在を通じて安定感を得ることもあります。
ロスト・ワン(いない子)
ロスト・ワンは目立たず、存在感が薄く、家族の活動からしばしば外れます。家族の複雑な関係から遠ざかり、自らを守ろうとします。
プラケーター(慰め役)
プラケーターは常に暗い雰囲気の中で、家族のメンバーをなぐさめる役割を果たします。家族内の小さなカウンセラーとして、安定感を提供します。
クラン(道化師)
クランは笑いを提供し、緊張を和らげる役割を果たしますが、その背後には孤独や悲しみが隠れています。彼らは表面的な愛情やかわいがりを受けますが、内面的な問題を抱えています。
イネイブラー(支え役)
イネイブラーは他人の世話を焼き、自らの問題から逃れる傾向があります。成人後もこの役割を続けることがあり、情緒的な近親姦などの問題が生じることもあります。
アルコール依存症の家庭によく見られますが、恋愛関係や、虐待関係でもイネイブラーがいることがよくあります。
下記の図では、恋愛関係における、共依存、イネイブラーを図示したものになります。
機能不全家族では、被共依存者、イネイブラー共に心理的な問題を抱えていることがわかっています。自尊心が低く、嫌われたくないゆえに相手の要求に答えてしまう方は注意が必要です。
これらのタイプは、家族内での役割分担や対人関係に基づいて形成されますが、個々の子どもが複数の役割を兼ねることもあります。アダルトチルドレンは、これらの役割から自己認識を構築し、成人後にはそれらを克服するために努力することがあります。
③心理的問題と精神疾患
心理的問題
機能不全家族のもとで育つ子どもは、常に強い緊張感の中で暮らし、大人になってからもいきづらさを抱えています。緒方(1996)[4]はアダルトチルドレンの生きづらさの中身を次のように説明しています(一部改変しています)。
素直に感情を表現することができない
抑えすぎて急に感情が爆発したりする
「白か黒か」の決定的な判断をする
他人を信頼していない
得体の知れない寂しさがある
抑うつ的になったりする
自責感が強い
自己評価が低くなりやすい
現場での主観としては上記に追加して
過剰な気遣い
理想化と絶望
被害妄想
これらの症状がみられると感じています。共通すること人間関係に対する不安定さがあり、絶えず焦燥感を抱えている方が多いと思います。
人間関係にストレス
塚原ら(2005)[5]は看護学生106名を対象に、アダルトチルドレンの特性について調査を行いました。その結果の一部が下図となります。
上記のようにアダルトチルドレン傾向がある方は、親、友人、先生とストレスを溜めやすいことがわかります。
自尊心が下がりやすい
山下(2010)[6]は大学生306名を対象に、親の養育態度と自尊心の関係について調査を行いました。その結果、冷淡で愛情不足な親のもとで育つと、自尊心が低くなりやすいことがわかりました。詳しくは以下の動画で解説しました。理解を深めたい方は参照ください。
精神疾患
アダルトチルドレンは診断名ではありません。精神疾患としては以下の診断名が付くケースがあります。
愛着障害
主に幼少期の子供に着けられる診断名です。機能不全家族で育つ子供は、情緒面で問題を抱えることがあり、その場合に愛着障害と言う診断名が付くことがあります。
境界性パーソナリティ障害
アダルトチルドレンは境界性パーソナリティ障害と診断されることがあります。境界性パーソナリティ障害の方は、見捨てられ不安が強く、極端な人間関係になりやすい障害です。
PTSD
激しい暴力を受けた体験、絶えず暴言吐かれた体験がある方はPTSDと診断されることもあります。
ACの治療,改善法
ここからは、回復へのアプローチ方法を3つ紹介したいと思います。斎藤(1996)[7]は、アダルトチルドレンの回復には次の3段階があるとしています。
それぞれの段階について解説していきます。
①ACの自覚の獲得と安全
自己理解を深める
まずは「自分はアダルトチルドレンの傾向がある」と気がつくことが大事になります。なぜならしっかりと自覚している方ほど、共依存の問題や、被害妄想にしっかり向き合うことができるからです。
気づきを得るためには、書籍を読んだり、アダルトチルドレンを克服した方の動画を見ることをおススメします。経験者の体験を知ることで、自分自身の自覚も増していくと思います。以下ACの自覚の時期におススメの動画やコラムをお伝えします。お時間があるときにご覧ください。
アダルトチルドレンの基礎理解(動画)
共依存関係の問題と対策
ACとチェックリスト
塚原ら(2005)[5]はACの研究をする際に、尺度の作成も行っています。以下のおりたたみに質問項目があります。質問にあてはまるほどACの傾向があると推測できます。参考にしてみてください。
安全確保
自分と向き合うには、ゆったり考えられる場所が必要になります。一度家族と離れ、自分と向き合える場所に身を置き、日記を書く、カウンセラーなどを活用するなどが必要です。安全な場所の確保には以下を参考にしてみてください。
・カウンセラーの援助
問題が大きく自分で向き合うのが困難と感じる方は、心理カウンセラー、心理相談所、精神科のクリニックの援助を受けることをおススメします。カウンセラーの探し方については下記の動画を参照ください。
・
カウンセラーの探し方(筆者川島が解説)
・セルフ・ヘルプ・グループ
全国には、アダルトチルドレンが集まる自助グループや支援団体があります。同じような辛さや悩みを経験したもの同士が、互いに体験を振り返ることで、解決や克服を目指すことができるでしょう。有名なのはこちらの団体です。
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Adult Children Anonymous
・身近な人の関係を大事に
アダルトチルドレンの方は両親との関係がうまくいかず、自己肯定感を持てないことがあります。自己肯定感は両親以外の方との関係をきちんと構築していくことで回復できる面もあります。抱え込みすぎず、身近な人にも相談するようにしましょう。
・
ソーシャルサポートを受ける方法
・心理学をゆったり学ぶ
メンタルヘルスを安定させるための基礎力を高めたい方は、臨床心理士や公認心理師の講座もおすすめします。以下の講座を参照ください。
・
公認心理師主催,心理学講座
②嘆きの仕事
アダルトチルドレンの自覚と安全地帯を確保したら、次に②嘆きの仕事の段階に進みます。
嘆きの仕事とは、悲しい過去を認めていく、受け入れていく作業になります。アダルトチルドレンの人の子ども時代は、ある種トラウマ(心の傷)体験といえます。トラウマ体験から回復するためには、人生のいずれかのタイミングで、自分と向き合い、語りつくす必要があるのです。
人によっては、不眠や泣く、胸がドキドキする、など身体の変化が出てくることがあります。これらの気持ちや身体の反応はつらいと思います。時間がかかる作業ですが、やがて受け入れることができます。
具体的な手法として以下の3つが挙げられます。
日記を書く
日記は自分と向き合う有効なツールです。記録に残すことができるので、自分の成長を自覚することもできます。私のクライアントさんの中には、匿名でブログを書いて、励ましてもらいながら克服された方もいました。
メタ認知力をつける
自分と向き合う時には、自分を観察する力が必要になります。自分がどのような感情を持っていて、どのような時に混乱しやすいのか、把握する力が大事になります。このような力はメタ認知力と言います。
自分と向き合うのが苦手…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
充分泣きはらす
負担がかかることではありますが、充分泣きはらし、誰かに語ることも大事です。これは心理学の用語で、カタルシスと言います。自分がつらかったことを充分認め、感情を吐き出すと、心が整理されていきます。
ただしカタルシスにはリスクもあります。特に心理学の世界では緊急事態に無理に自分と向き合うことは、逆に症状が悪化するという考え方があります。
自分と向き合う作業は負担がかかるので、心に余裕がない時は、保留するなど柔軟に考えてみてください。また不安な方は専門家のサポートを受けながら、進めるようにしていきましょう。
③人間関係の再構築
自分らしく振舞える人間関係を構築する作業です。自分をアダルトチルドレンだと認め、嘆きの仕事も終えたら、新しい人間関係を作る下準備ができたといえます。
共依存のような、偏った依存関係を持つのは終わりにしましょう。そして、相手に合わせるばかりではなく、自分らしく振る舞える人間関係をスタートさせていきましょう。
アサーティブに関わる
アダルトチルドレンの方は、自己肯定感が不足しがちで、自分を大事にできない傾向があります。この点を改善するには、自分を大事にしながら人と健康的に関わるアサーティブな精神を高めることが大事です。
健康的な人間関係を築くためにおススメの心理療法です。
限界設定をする
身近な人へ限界設定をすることが大事になります。限界設定とは、ここまではOKだけど、ここから先はNGだよ!という線引きを明確にすることです。
そして一度線引きをしたら心を鬼にして、その線引きを守ります。
例えば、お金を貸して!と言われたら絶対貸さないことです。もちろん代わりに、誕生日プレゼントはあげるなどはOkです。OKなこととNGなことのメリハリをつけるようにしましょう。詳しくは下記を参照ください。
時に離れることも大事
また場合によっては生活環境を思い切って変えることも大事です。長年より沿ってきた相手ならなおさらで、どうしても限界設定がうまくいかない場合などは一度距離を置いて、落ち着いてからまたよりを戻すなどの手も有効です。
長期的に見れば、一時的に離れることは、ちょうどいい距離感を学ぶいい機会になると思います。その後、再び仲良くなることも、現場でもよく見られる光景です。
まとめ
ここまでアダルトチルドレンの基本的な知識と治療法を解説してきました。回復していく3つの過程は簡単ではありません。時に心が張り裂けそんな気持ちになる時が何度も来るかもしれません。そうした時は、周りの力を借りながら、少しづつ前に進んでいきましょう。
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・自己理解を深める,メタ認知練習
・線引きする勇気,限界設定のワーク
・自分を大事にする練習
・健康的な人間関係を築く練習
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4件のコメント
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私はアダルトチルドレンです。
父親からの身体的暴力と、性的暴力に加えて、母が姑と仲が悪いので毎日ピリピリとした空気の中で過ごしてきました。
そのせいもあって、他人に必要以上に気を遣ったり、顔色を伺うようになり、人間関係ではストレスが絶えません。
そうした中で、このコラムはとても為になりました。
自覚はできているので、次に安全の確保に行動を移そうと思います。解説がとてもわかりやすかったです。
私の家は間違いなく機能不全家族であり、私自身もアダルトチルドレンだと思うのですが、オススメの精神科はないでしょうか?抗不安薬が欲しいです。私は自分に自信が持てない、他人を信用できない、気持ちを人に伝えるのが苦手、
相手に合わせすぎる、バーンアウトしやすい、などの悩みがありアダルトチルドレンに関する本を数冊も読みました。私の場合は子どものときから母親の面倒をみなければならない環境でしたので、人と接するときは母親の機嫌を損ねないように振る舞うように気を付けていました。
そんな環境もあり今では、尽くしたいと思えるのか?そうではないのか?という白黒思考で物事を判断してしまう傾向にあります。
今回のコラムのアダルトチルドレンからの回復アプローチ方法はとても分かりやすかったのでチャレンジしてみたいと思います。コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連
*出典・引用文献[1]R. Margaret Cork(1969).forgotten children a study of children with alcoholic parents Addiction Research Foundation of Ontario[2]西尾和美(1995).共依存症の精神療法. こころの科学, 59, 39-44.[3]Kritsberg,W.(1985).The Adult Children of Alcoholics Syndrome. Health[4]緒方明(1996).アダルトチルドレンと共依存. 誠信書房. 24-25.[5]塚原貴子,新山悦子 笹野友寿(2014).アダルト・チルドレン特性と対人関係でのストレスの自覚の程度との関係 看護学生と他学科学生との比較[6]山下美実子・石暁玲・桂田恵美子 (2010). 大学生の親子関係・自尊感情・生き方志向と子ども時代の両親の養育態度との関連: 過保護という養育態度の検討. 臨床教育心理学研究, 36, 21.[7]斎藤学(1996).アダルト・チルドレンと家族. 学陽書房. 237.*その他の参考資料阿部由紀子(2018).大学生におけるアダルト・チルドレンおよび共依存と抑うつとの関連性. 保健科学研究, 9(1), 39―43.新山悦子・塚原貴子・笹野友寿(2005).看護学生のアダルトチルドレン特性とバーンアウト症候群との関連. 川崎医療福祉学会誌, 15 (1), 117-122.信田さよ子(1997).アダルト・チルドレン-私の物語を作り直す-. 日本家政学会誌, 48 (9), 823-828塚原貴子・矢野香代・新山悦子・太田茂(2010).大学生における外傷体験の筆記による開示効果―心理的・身体的指標による分析― 川崎医療福祉学会誌 Vol. 20 No. 1 2010 235 − 242
私もアダルトチルドレンの傾向があると感じました。
幼少期は両親が不仲で、核家族であり、両方から両方の悪口を聞き続けたり
夜中に喧嘩している声で目を覚まして眠れなかったり、
友達の家に遊びに行くことも許されていなかったので
周りのみんなの家族もそのようなものだと思っていました。
大学に進学して実家を離れてから、私の家庭環境は普通ではなかったこと、
当時は本当は辛かったこと、誰かに助けてほしかったんだと思いました。
自分の過去に向き合うことが難しかったり、
自分自身に厳しくしてしまうことが多いですが、
そんな経験を重ねてきた自分を許し、認められるように
前向きに人生を味わえるようになりたいと思っています。