アイデンティティを確立する方法,ライフチャート法
当コラムでは、アイデンティティの確立をテーマに解説しています。
①アイデンティティを確立する方法
②ライフチャート法
今回は筆者が心理学講座で実施している「②ライフチャート法」を解説していきます。
過去を受け入れる
皆さんは
・過去の自分を忘れたい
・後悔することが多い
・自分の過去はろくでもなかった
こんな感覚はありませんか?もしそうだとしたらアイデンティティの確立は難しくなります。
なぜならアイデンティティの確立には、過去の人生が「今の自分」を作ってきたという感覚が必要になるからです。これは「自己斉一性」と呼んだりします。
・過去があったからこそ今がある
・後悔せずに生きてきた
・失敗も自分の糧になっている
こういった感覚が自己斉一性です。これまでに起きたいろいろな体験を自分なりに意味を付け、色々失敗もあったけどそれが今の自分の糧になっていると感じらるようになると、安定したアイデンティティを確立することができるのです。
研究を詳しく知りたい方は下記をクリックください。
ライフチャートの書き方
それでは実際に過去に意味つけをするワークを行ってみましょう。今回は「ライフチャート」を作成して人生を振り返ってみます。なお、ライフチャート法は心の負担になることがあります。ある程度、余裕があるときに実施してみてください。
ライフチャート
まず下記のような図を書きましょう。
あなたの人生を振り返って
100%(良い時)
-100%(悪い時)
の数値で表していきます。
【記入例】
例えば、33歳の人であればこんな感じで途中までで結構です。ライフチャートが書けたら自分で書いてみたこのライフチャートをよく眺めてみてください。様々な思いが浮かんだかもしれません。
自分との対話
ここから色々質問をしますので、ライフチャートを確認しながら自分の中で対話をしてみてください。今回は解答例はあえて設けません。自由に答えてください。あなたが思い浮かんだことすべてに意味があるのではないかと思います。
①全体を見て感じたことをありのままお話ください。
②これまでの人生で誇りに思うことは何でしょうか?
③人生で幸せに感じた出来事は何でしょうか?
④落ち込んだ時期があるからこそ役に立ったことは?
⑤これからどのような人生を歩みたいですか?
体験を整理して確立を
ナラティブアプローチ
質問を元に振り返ってみていかがでしたか。人生を俯瞰していくとたくさんの物語があったと感じると思います。
自分の人生を1つの物語として語れるようになると、心理的に安定し「自分とは何か?」が定まりやすいことがわかっています。これはナラティブ・アプローチという手法をとっています。
例えば、当コラム監修の公認心理師川島は過去に引きこもりの経験がありました。もう20年前ぐらいになりますが、当初は引きこもっていた自分が大嫌いでした。自己開示もできず人が怖い状況になっていました。
その後、自分と向き合い回復してからは、過去の自分があったからこそ今の仕事と出会うことができたと受け入れられるようになりました。
今は、過去の経験を大事にして生徒さんに当時の話などもしています。過去を受け入れることは簡単なことでは無かったのですが今はとても充実しています。
誰かに話すのも重要
今回は自分の中で対話していただきましたが、聞き手がいるとまた違ってきます。相手に話すと話しながら自分の体験が自然と整理されていきます。
そして、相手に感想などをもらうことで自分自身が新たな気づきを得られることがあります。ぜひ気持ちに余裕が出てきたら、誰かに話しを聞いてもらってみてくださいね♪
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・ライフチャートの基礎
・アイデンティティ確立の方法
・自分の強み,長所を探す
・初学者向け,心理療法
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
1件のコメント
コメントを残す
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連
・出典[1]谷冬彦(2001).青年期における同一性の感覚の構造 ―多次元自我同一性尺度(MEIS)の作成― 教育心理学研究,49,265―273[2]山本彩留子 岡本祐子(1994).大学生の親に対する態度・行動とアイデンティティ, 対人態度の関連性 広島大学心理学研究 8 号 107-120p
この春からscとしての仕事が中心になります。昨年公認心理師の資格をgルートでとりました。
年齢は50を超えています。自分自身の問題を解決したくて扉を開いた心の学びがまさか仕事になるとは。この歳になって改めて自分のアイデンティティについて考えたくて、こちらのサイトにたどり着きました。
ライフチャートをやってみて自分のこれまでの歩みを振り返ることができました。感謝です。