妬みや嫉みを良いモチベーションに変える
妬み改善コラム①では、妬みや嫉みの基本的な知識を学んできました。コラム①でもお伝えしたように、妬みには「悪い妬み」と「良い妬み」があります。つまり、使い方によってはプラスの結果をもたらしてくれるのです。今回は、「悪い妬み→良い妬み」についてご紹介します。
妬みの良い面悪い面
まずは
妬みをポジティブに活かす花子さん
妬みでネガティブに苦しむ次郎君
についての事例をみていきましょう。
妬みを活かす花子
・登場人物
花子さん
太郎くん
・状況
太郎くんはテスト100点
花子さんはテスト60点
花子さんは太郎さんを妬む
・花子さんの行動
勉強に勤しむ
太郎くんに教えてもらう
太郎くんを尊敬する
妬みを感じると、足りない部分を直そうという心理が自然と働きます。その結果、頑張るモチベーションが上がるのです。その意味で、妬みは努力の原動力になると言えるのです。
妬みで苦しむ次郎
・登場人物
次郎くん
月子さん
・状況
月子さんはテスト100点
次郎くんはテスト60点
次郎くんは月子さんを妬む
・次郎くんの行動
月子さんの勉強を妨害する
月子さんの関係ない悪口を言う
自暴自棄なって勉強を放棄
一方で、妬みに感情に飲まれてしまうと、ズルをしようとしたり、やる気を損ねてしまいます。その結果、ますます結果がでなくなり、妬みの感情も増幅してしまうのです。
妬みを意欲に変えよう
では、どうすれば妬みをプラスの力に変えることができるのでしょうか?具体的には、以下の3つがキーポイントになります。
①他人の優れた点を認める
②自分の優れた点も認める
③学び取れる部分を見つける
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①他人の優れた点を認める
まずは、他人の優れた点を馬鹿にしたり嫉妬の渦に自分を巻き込むのではなく、「ああ、すごいな、○○さんなりに努力した結果なんだな」と認めることが重要です。
②自分の優れた点も認める
次に他人だけではなく、自分のできる点もしっかり認めましょう。「できること」を知ると、それをさらに伸ばしていくことができます。自尊心の低下も防ぐことができます。
③学び取れる点を見つける
最後に、相手の素晴らしい点を認め、学び取れる部分、真似できる部分、前向きな刺激として考えられる部分を考えます。そしてネガテイブな行動ではなく、ポジティブな行動をしていきます。
妬みをプラスの行動に
それでは妬みをモチベーションに変える練習問題に取り組んでみましょう。まずは例文で手順を確認しましょう。
妬みをモチベーションに変えた例
登場人物
・同期の太郎くんと花子さん
状況
・営業成績はさほどかわらない
・花子さんだけが昇格
・希望する部署へも異動
・太郎くんは自信喪失
・花子さんに妬みを抱くように
解答例
①他人の優れた点を認める
⇒花子さんの仕事の速さは、くやしいけど凄い!
②自分の優れた点も認める
⇒自分はミスが少なく丁寧に仕事ができる。
花子さんにはない良さも持っている。
③学び取れる点を見つける
⇒花子さんの仕事の速さを研究して真似てみよう。
花子さんの良さを刺激にして頑張るぞ!
いかがですか。努力次第で花子さんに近づけたり、自分の良い部分に気づく事で、自尊心を傷つけず妬みを良いエネルギーにかえる事ができますね。
自分の例で実践練習
それでは、自分の例で取り組んで行きましょう。あなたが妬みを感じている事で考えてみましょう。
①他人の優れた点を認める
②自分の優れた点も認める
③学び取れる点を見つける
練習問題をやってみていかがでしたか?すぐに自分の課題を見つけ出す事はできないかもしれませんが、少しづつ自信を付けていきましょう。
まとめ
妬みをモチベーションに変えると自尊心を持てるようになります。他者と関わり、集団の中で生活する私たちにとって、とても大切なことです。妬みの感情をコントロールするために、妬みをポジティブ行動に結び付くようにしましょう。
しっかり身につけたい方へ
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・妬みや嫉妬の改善,比較癖の改善
・妬みや嫉妬の改善,感情コントロール練習
・イライラする心理のコントロール法
・劣等感を力に変える,アドラー心理学
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コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連
*出典・参考文献
・Foster, G. (1972). The anatomy of envy: A study in symbolic behavior. Current Anthropology, 13,165-202.
とてもためになりました。私はとても負けず嫌いで、妬みやすい人なんです。同学年の子が学級のお便りに乗った時書いていた文章を見たときに、正直言って完敗だと、その子の文章がとても、うまいことを一瞬でも認めてしまった自分が、悔しかったです。