後悔しない生き方・迷わないための方法
コラム①では、後悔しない人生について解説していきました。今回はポジティブな行動を増やす「損得勘定-実行法」について解説をしていきます。
行動できない人の特徴
デメリットだけ考えると行動できない
今まで後悔が多かった…という人は、デメリットを考えすぎる傾向があります。
もし○○だったら…
万が一〇〇だったら…
失敗したらどうしよう…
もし…もし…もし…が頭の中をぐるぐる回り、いつまでも行動できないジレンマに陥ります。
メリットにも目を向けよう
行動力をつけるには、デメリットだけでなく、決断を後押しするメリットも考え、両者を比較してみることが大事です。このように比較する姿勢を「損得勘定→実行法」と私は呼んでいます。
この技法では、まず自分の考えや行動のメリットとデメリットをそれぞれ紙に書いていきます。次に、書き出したプラスとマイナスの比重を数値で表します。最終的にどのような考え方をしたらいいのか整理します。
手順:損得勘定→実行法
次に「損得勘定→実行法」の4つの手順について見ていきましょう。
①決意する
まずは「メリットが多ければ行動する!」と心に誓いましょう。自分との約束がなければ、損得勘定の意味がなくなってしまう場合があります。「考えた上で、得が多いなら絶対行動する!」としっかり決意しましょう。
②メリットとデメリットを書き出す
次に、扱うテーマを決め、メリットとデメリットを出来る限り書き出します。些細な考えでも構いません、自分の考えをなるべくたくさん書きましょう。
③点数を付ける
②で書き出したメリット・デメリットに重みづけをします。感覚的でOKです。100点満点で採点してみましょう。
④えいや!で実行
メリットの方が数値が高かった場合、えいや!で実行します。不安や恐怖もあると思います。頭で分かっていても体が動かないかもしれません。
しかし、行動するためには、ある程度思い切りが必要です。①で行った自分との約束を果たすべく、わずかでもいいので実行していきましょう。
損得勘定法-具体例
ここでマナブさんの具体例を元に考えていきましょう。マナブさんは以下の状況になっていました。
人前に立つことが小さい頃から苦手
大学の授業で発表する機会が訪れる
発表するか迷う
マナブさんはしきりに考えても結論が出せませんでした。カウンセラーは、マナブさんがあまりに迷っていたので、「損得勘定法」を試してみることにしました。
①決意する
マナブさんは、損得勘定で得が多かったら、多少恐怖心があってもやる!と決意しました。
②メリットとデメリットを書き出す
その後、マナブさんは発表するメリット・デメリットについて以下のように書き出しました。
発表するメリット
・良い経験になりそう
・発表がうまくいけば自信になる
・自分の考えを皆に知ってもらえる
・周囲から意見をもらえるかもしれない
発表するデメリット
・発表が苦手なので失敗するかもしれない
・どうせ失敗して自信をなくしそう
・失敗したら成績が悪くなりそう
・失敗したらこの先立ち直れない
③点数を付ける
次にマナブさんはメリット・デメリットを表に書き写し、点数を付けていきました。
上記にように、発表するメリットの合計点が265点なのに対し、デメリットの合計点は240点と低い結果となっています。
マナブさんは、損得の比較をして最終的に以下のように考えました。
こうして、マナブさんは発表する「プラス面」に意識を向けることができました。
もちろん、マイナスな面も複数あります。ただ、そこだけに焦点を合わせるのではなく、+-の両面から見ることでマナブさんのとらえ方は変化していきました。
④えいや!で実行
後日、先生に発表する旨を伝え、いよいよ、本番です。マナブさんは発表当日まで、何度も辞退することが頭によぎりましたが、その度に①での決意を思い返しました。
最終的に、マナブさんは無事発表を終えることができました。発表する前は、ものすごく不安だったけど、今はすごくスッキリしたようです。
損得勘定→実行法
それではワークを実践してみましょう。
①決意する
「 」
②メリット・デメリットを書き出す
その行動を行うメリット
・
・
・
・
その行動を行うデメリット
・
・
・
・
③点数を付ける
②で書き出した文章の右に、0(大したことではない)~100(非常に重要である)を記入しましょう。
④えいや!実行
まとめ
ワークはいかがでしたか。損得勘定→実行法は、迷っていることを数値化して整理する方法でした。+-の両面を照らし合わせると、自信をもって決断することができるようになります。応援しています!
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・後悔を前向きに活かす,リフレーミング
・実行するか,回避するかの決定法
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コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
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名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連
*出典・引用文献
中西大輔・井川純一・志和資朗(2015)自信があれば後悔しない-意思決定への自信が後悔に与える影響-, 感情心理学研究, 22(3), 118-127.