オープンクエッション,クローズクエッションのコツと具体例を公認心理師が解説,ダイコミュ
皆さんこんにちは。こちらのコミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のテーマは「オープンクエッション,クローズクエッション」です。なんとなく聞いたことがある方が多いと思いますが、日常生活で実践する方法が分からない方も多いでしょう。
本記事では、オープンクエッション,クローズクエッションの使い方について詳しく解説していきます。目次はこちらです。
・2つの質問の意味とは?
・2つの質問の比較・効果
・活用シーンや場面
・具体例
ぜひ質問力を高めて、人間関係を豊かにするきっかけを掴んでください。
2つの質問の意味とは
まずはそれぞれの意味から詳しく見ていきましょう。
オープンクエスチョンとは?
オープンクエスチョン(Open-Ended Question)とは、言われた質問に対する回答範囲が限定できない疑問文になっていきます。例えば、
「どうやって調べたの?」
「どんな気持ちだったの?」
「特徴とかありますか?」
こんな形で、自由に相手が答えられるような質問がオープンクエスチョンになります。イメージとしては、国語のテストのように自由回答形式のテストが比較的オープンクエスチョンに近いです。
クローズクエスチョンとは?
クローズクエスチョン(Close-Ended Question)は選択肢が限定される質問になっていきます。例えば、
「何色が好きですか?」
「東京で好きな街はずばりどこですか?」
「朝ご飯はパンを食べますか、それともお米を食べますか?」
こんな形で、答えがあらかじめ限定されるような質問になっていきます。クローズクエスチョンはマークシートで回答欄がちょっとしかないような、そんなイメージの質問です。
2つの質問の比較・効果
次にオープンクエッション,クローズクエッションそれぞれの効果を見ていきましょう。
オープンクエスチョンの効果
・メリット
効果としては、オープンクエスチョンはまず、ポジティブな効果としては相手が主体的に話せるという点があります。オープンクエスチョンは「自由に話してください」というイメージになりますので、相手が自分の頭で考えて本体的に話していくことが基本になっていきます。
主体的に言うことは、自由に自分の考えを自信を持って話す機会が増えていくことです。そのため、相手に誘導されるのではなくて、「自分が自ら話した」という感覚が得られるのがオープンクエスチョンのメリットになっていきます。
・デメリット
デメリットとしては、相手の負担になることも考えられます。特に話べた、口下手な方にオープンクエスチョンをするとどうなるかというと、まず最初に「え〜」っと言って、「そんなこと言われてもどう喋ればいいかわからない」など、相手を不安にさせてしまうことがあります。
例えば「最近どう?」など、割とかなり広い感じのオープンクエスチョンをしたときに、口下手の方は「どうって言われても…」といった形で負担になってしまう場合もあるでしょう。
クローズクエスチョンの効果
・メリット
クローズクエスチョンのメリットは、相手が回答しやすいことです。クローズクエスチョンはある程度の選択肢が制限されていますので、「はい」か「いいえ」など端的に答えればいいという形になります。
自分の頭をあまり使わずにパッと答えられるという面で疲れている時など、あまり話したくない時に割と負担が軽い質問になっていきます。その他、自分が会話をリードしたい時、自分が知りたい情報を手に入れたい時は、割とクローズクエスチョンがおすすめです。
・デメリット
デメリットとしては、刑事の取り調べみたいになってしまうという点です。繰り返し行うと、相手が「追及されている気がするな…」「そんなに細かいとこ知りたがるのかな…」といった具合に、相手が警戒してしまう恐れがあります。
以下、オープンクエスチョン,クローズクエスチョンそれぞれのメリット・デメリットを比較したものです。自分の目的や状況に応じて使い分けてみてください。
使い分け,やり方
次に実践的なオープンクエッション,クローズクエッションのやり方を見ていきましょう。
オープンクエスチョンのやり方
オープンクエスチョンの場合は、どのように(How)、何を(What)、なぜ(Why)、の3つが基本になっていきます。
どのように○○した?(How)
何が〇〇だった?(What)
なぜ○○に行ったの?(Why)
基本的には、「どのように(How)」が使われます。「どうやってやったの?」「どんな感じだったの?」「どの辺が楽しかったの?」など、オープンに質問したいときは抽象的に相手へ聞くことが多いです。
それ以外にはもちろん、「何」や「なぜ」という質問もかなり使っていきます。この場合は、話をさらに深堀りしたいときによく使われます。
もう一歩踏み込んでいくと、感情のフレーズを入れながらオープンに聞いていくとかなり話しやすくなっていきます。例えば、相手が旅行に行ったとして、
「美味しかった思い出に残ったものは?」
「どの辺の観光名所が楽しかった?」
などオープンかつ感情を聞いていくと、雑談の話題はかなり広がるようになるのです。比較的オープンクエスチョンは会話の中盤以降に使っていきます。もちろん最初に使うこともありますが、どちらかというと後半に使うことが多いです。
クローズクエスチョンのやり方
クローズクエスチョンは、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰(Who)」「どれ(Which)」の4つが基本になっていきます。
「いつ行ったんですか?(When)」
「それはどこで開催されたの?(Where)」
「参加者はどんな人だったの?(Who)」
など「どっち?」という感覚で、マークシートをイメージして、「赤と青どっちが好き?」「犬と猫どっちが好き?」という形で聞いていくのがクローズクエスチョンになります。
「誰」については、少しオープンになることもあります。
「誰が参加してたの?」⇒オープンクエスチョン
「その人はどんな人なの?」⇒クローズクエスチョン
といった具合で、「その人はどんな人なの?」と聞くと、オープンクエスチョンになり、話題が広がりやすいです。登場人物の説明は時間がかかるため、かなり話題が膨らみやすくなっていきます。
比較的クローズクエスチョンは、会話の序盤の時に活用します。会話を組み立てるときに活用するとスムーズ会話が進みやすいですが、後半は会話の流れを阻害するような形になることが多いので注意が必要です。
活用シーン・場面
オープンクエッション,クローズクエッションはどのような場面で活用できるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
オープンクエスチョンの活用場面
オープンクエッションの活用場面は、以下のシーンがあげられます。
ゆったり話す
リラックスした場面
感情交流
悩み相談
例えば、1時間まったり雑談する、ランチタイムの雑談など目的がはっきりしない緩い会話の時は、基本的にはオープンクエスチョンを用いることが多いです。
また、感情を交流時、楽しい思い出など嬉しい気持ちを共感し合ったりする時は、基本的にはオープンクエスチョンです。さらに悩み相談の時には、限定的に聞いていくと話しづらくなってしまうため、「あなたの好きなようにしゃべってください」という意味で、オープンに聞いていくのが基本になっていきます。
クローズクエッションの活用場面
クローズクエッションの活用場面は、以下のシーンがあげられます。
時間が限られている
会話の基礎を作る
ビジネスシーン
情報収集
このように、時間制限があるときや結論を早く出さなければならないときは、クローズクエスチョンのほうがありがたいです。また、会話の序盤で会話の基礎を作る時、「それっていつぐらいの話?」「そうですか、ちなみにそんな話、誰が言ってたの?」と質問すると、相手の話が見えやすくなります。
さらにビジネスシーンや情報収集をする場面でも、やはりクローズクエスチョンが多くなっていきます。
ここまでのオープンクエッション,クローズクエッションの違いを比較すると以下の表のようになります。
ぜひそれぞれの違いを理解して、適切に使い分けるようにしましょう。
具体例
それでは、ここからオープンクエッション,クローズクエスチョンの具体例を解説していきます。下記それぞれの状況で具体例を作成しました。興味のある項目を展開して確認してみてください。
まとめ
オープンクエッション,クローズクエッションについては動画でも解説しました。仕上げとしてご活用ください。
しっかり身につけたい方へ
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・心理療法ワーク
・質問力を高める方法
・雑談力を高めるワーク
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コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連