よく笑う人になる方法,笑う効果
皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「よく笑う人になる方法」です。
相談者
34歳 男性
お悩みの内容
私は現在、婚活中なのですが、うまく行きません。昔から表情が堅く、アドバイザーの方からもう少し笑うようにした方が良いと言われました。私自身もう少し、笑えるようになりたいと考えています。アドバイスをお願いします。
恋愛で堅い印象を与えてしまうのですね。当コラムでは、笑う効果と心構えを解説していきます。是非最後までご一読ください。
笑う効果
「笑う門には福来る」という言葉があります。笑うことが、人生において良い効果を与えてくれることは、昔の人も感じていたのだと思います。実際、笑うことは、ほとんどの研究によって、効果が得られるという結果になっています。詳しくは以下の研究を参照ください。
よく笑う人になる7つの方法
このように笑顔を増やすと、肉体的にも精神的にも健康的になれます。当コラムでは、よく笑う人になる7つのやり方を提案させて頂きます。
① 生活にゆとりを持つ
② ズレを楽しむ
③ 失敗は笑いの源
④ 鼻歌を歌う
⑤ よく笑う人と交流する
⑥ とりあえず笑ってみる
⑦ 表情を柔らかくする
⑧ 体調も結構大事!
ご自身にあったものを組み合わせてご活用ください。
①生活にゆとりを持つ
心理学には気分一致効果といわれる用語があります。気分一致効果とは以下の意味があります。
感情は似た種類の感情を刺激すること
例えば、すごくうれしい出来事があった時は、笑い、楽しい、幸福といったポジティブな感情を持ちやすくなります。逆に、すごくつらい出来事があった時は、悲しい、落ち込む、不安と言った感情を持ちやすくなるのです。
その意味で、よく笑う人になるには、日々の生活にゆとりを持ち、心が笑える状態を作っていく必要があります。具体的には、
自由になる時間を持つ
ルールに縛られ過ぎない
温かい人間関係がある
安定した職業につく
このようなポジティブな感情が生まれやすい生活リズムを整えていく必要があります。もしあなたが精神的にいっぱいいっぱいになっているとしたら、以下のコラムを参照ください。心を整理し、余裕を持つ手順を解説しています。
②ズレを楽しむ
心理学の研究では、「ズレ」と「インテンション」が笑いを引き起こすことが分かっています。ズレとは、常識や一般的な原則とは異なる出来事を意味します。例えば以下の例が挙げられます。
眼鏡をかけているのを忘れて眼鏡を探す
運動会のリレーでお互い敵チームにバトンを渡してしまう
ユニクロの値札を外すのを忘れてデート
などが挙げられます。笑いが起こるには、このズレを土台として、インテンションも必要になります。インテンションとは、これは面白いことだぞ!という姿勢をを意味します。例えば、以下のような意識が必要です。
おっ!いいネタできたぞ!
人生笑ったもの勝ち♪
失敗は笑いに変えてしまおう♪
このように、ズレを放置するのではなく、楽しむ気持ちを持つことが大事になってくるのです。
③失敗は笑いの源
この意味で、失敗をした時、おっちょこちょいなことをした時は大チャンスです。「ズレ」が発生した状況なので、あとは笑いに返る「インテンション」があれば、きっと笑うことができるはずです。大切なのは、その失敗やミスに直面したときに、それを重く捉えすぎず、むしろ笑い飛ばせるくらいの心の余裕を持つことです。例えば以下のような事例が挙げられます。
髪型を失敗した
→これが最新のトレンド!だよ
食べ過ぎて太った
→カロリーを蓄えて天変地異に強い体になったぞ
投資で100万損した
→お金を自由にさせてあげました
試験を寝過ごしてしまった
→夢の中では全問正解だったんだけどね
失敗はネガティブに考えればただ自分を苦しめるだけですが、笑いしてしまえば、すべて価値のあるものになります。最後は笑いに変える余裕をもつことも大切にしてみてください。
④鼻歌を歌う
鼻歌を歌うことは、リラックス効果があるだけでなく、自分の気分を高めるのに非常に有効です。私は特に、講座の前に緊張をほぐすために、ドリフの大爆笑のオープニング曲を鼻歌で歌うことが多いです。この曲は、私にとって笑顔を引き出し、緊張感を和らげる鉄板のメロディーです。
また、最近は「鬼のパンツ」という曲もお気に入りで、しばしば鼻歌に取り入れています。この曲はテンポが良く、楽しい気分にしてくれるので、自然と前向きな気持ちになれます。
皆さんも、自分にとっての鉄板の鼻歌を見つけて、緊張をほぐしたり、気分を盛り上げたりする時間をぜひ取り入れてみてください。リラックスした心と楽しい気分で、どんな状況にも前向きに対応できるようになりますよ。
⑤よく笑う人と交流する
私たちの脳にはミラーニューロンといわれる領域があります。これは共感する脳、真似をする脳、鏡のような脳、と言われています。例えば、お笑い番組を見ているときに、観客が笑うと、つられて笑ってしまったりしますね。これはミラーニューロンが働いていると推測できます。
この意味で、あなたの友人が面白い人だと、あなたもつられて笑うことが多くなりそうです。あなたの周りにいる、笑い上戸な人、冗談が好きな人がいたら、ぜひ交流を楽しみましょう。いつの間にはあなたたにもその笑いが伝染し、よく笑う習慣がつくかもしれません。
人と接する機会があまりない…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑥とりあえず笑ってみる
私たちの、体と感情はつながっていると言われています。これは「ジャームス・ランゲ説」と言います。ジェームス・ランゲ説は、生理的な変化、身体的な変化により、感情が変わってくるという説です。
例えば、今暗い表情を作ってみてください。そうするとどこか後ろ向きな気分になると思います。一方で、笑顔になってみましょう。するとどこか前向きな気分になると思います。
ジェームス・ランゲ説をもとにすると、何気ない日常場面で、とりあえず笑ってみることも効果を発揮するかもしれません。鳥の糞をギリギリで避けた時、店員さんがおつりを間違えた時、面白い動画を見つけた時、様々な日常の場面で笑うタイミングが訪れます。
その時に、いつもはしかめっ面をしていた表情をほぐして、とりあえず笑ってみましょう。そして感情を確認してみて、なんだか楽しい気分になっていたら成功ですね♪一度試してみましょう。
⑦表情を柔らかくする
笑っているのに、表情が堅い‥・と感じる方は笑顔の体操をすることもおすすめします。笑顔の体操は様々なやり方がありますが、今回は「歯を8本見せて笑う法」を紹介します。手順は以下の通りです。
① スマートフォンを用意
② 自分が笑っている姿を撮影
③ 歯が8本出ていたらOK
④ 好きなお笑いのYOUTUBEを用意
⑤ 動画をみながら1日3分程度たくさん笑う
しっかりした笑いの表情は歯が8本以上見えるという特徴があります。空笑いでも表情がほぐれていくのでおすすめです。他にも笑顔のトレーニング法は複数あります。表情が堅い…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑧体調も結構大事!
先ほど紹介したジェームズ=ランゲ説を前提とすると、よく笑うには体調を整えることも大切です。例えば、以下の2つの生活を比べてみてください。
(生活パターン1)
体調良好 バランスの良い食事 質の高い睡眠 残業なし
(生活パターン2)
体調不良 微熱ぎみ ファストフードが3日続いた 寝不足 残業過多
どちらの方が笑う人になりやすいかは言うまでもないことでしょう。
ここで1つ研究を紹介します。井奈波ら(2018)[7]は、看護師 395 名を対象に声を出して笑う頻度と、睡眠の関係について調査を行いました。その結果が以下のグラフです。
このようにほぼ毎日笑う、週1~5日笑うグループに比べて月3日以下笑うグループは睡眠障害が高いことが分かります。つまりよく笑顔になる人は、睡眠の質が高まりやすいと考えられます。
最近身体にストレスがたまる生活になっている…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
まとめ
笑うことは万能薬です。身体の健康が向上する、メンタルへルスが向上する、人間関係が良くなる、モテる、などたくさんの効果があります。
人生は一度しかありません。せっかく同じ時間を過ごすのであれば、たくさん笑って過ごしたいものですよね。皆さんが、笑いの絶えない、楽しい日々を送られることを心から願っています♪
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・笑える視点を増やす,ズレを探す
・ユーモアのある話題提供にチャレンジ
・笑顔の練習,スマイル体操
・健康的な人間関係を築く心理学
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連