社交不安症(障害)と認知行動療法

皆さんこんにちは。公認心理師の川島達史です。私は現在、社交不安症の専門カウンセリングを行っています(興味がある方はこちら)。社交不安症(障害)コラム1では、基本的なちしきと治療法を解説してきました。今回のテーマは「社交不安障害と認知療法」です。

社交不安症は「不安」を軽くしていくことが必要です。このような人と関わる時の不安を改善するには「認知療法」が有効です。認知療法を概観すると、

STEP① 感情の確認⇒%で
STEP② 認知を把握する
STEP③ 認知の歪みを見直し
STEP④ 感情を再チェック⇒%で

という4つの手順で進めていきます。正式にはもう少し厳密に行うのですが、今回は簡易的に説明させて頂きます。

社交不安をセルフチェック

STEP① 感情の確認

認知療法ではまずは社交不安に関わる感情の大きさを把握します。例えば、以下のような状況にあるAさんを例にして考えてみましょう。

Aさんは、同窓会の通知を受け取りました。出席すると幹事に伝えたものの、1週間前になると不安が大きくなってきました。
・・・・
対人不安(70%)

このように社交不安の元となっている感情の大きさをまずは冷静に分析します。認知療法ではこのようにパーセンテージで示すことが多いです。

 

STEP② 認知の確認

感情を確認したら、次に「認知」を確認します。認知とは、感情の裏側にある考え方を意味します。例えば、対人不安70%とありますが、それは以下のような考え方の影響を受けている可能性がとても高いと言えます。

緊張して顔が赤くなってはいけない
上手く話せなくなったら評価が下がる
以前よりも魅力がなくなったと思われる

このようにやや極端な考え方を「認知の偏り」と言います。社交不安障害の方にはほとんどのケースでこのような認知の歪みが見られます。

 

STEP③ 認知を見直そう

そこでカウンセリングにおいては、「認知の偏り」を見直してみることにチャレンジします。

見直し前
緊張して顔が赤くなってはいけない

見直し後
緊張は生理的な反応。無理に抑え込まず、緊張する自分を受け入れながら話すことに集中しよう。
顔が赤くなっても、馬鹿にする人は少数。むしろ好感を持たれることすらある。

こんな形で、自分が納得できる形で考え方を修正していきます。

 

STEP④ 感情の再チェック

認知の歪みを修正したら、もう一度、感情を分析します。

実施前
対人不安(70%)
・・・・
実施後
対人不安(40%)

STEP2と比べてパーセンテージが低下していたら、大成功です(^^)。もし%が下がらなかったら、再度余裕があるときにチャレンジしましょう。何度か練習するとだんだんと、自分の考えをゆったりさせることができる方が多いですよ。是非ご自身でも試してみてください。

考え方を見直して緊張を緩和

 

もっと練習したい方へ

今回は認知療法を簡易的に解説をしました。本格的に認知療法を練習したいという方はこちらの認知療法コラムを参考にしてみてくだしさい。より詳しい手順や思考の増やし方を解説しています。

カウンセリングのお知らせ

社交不安症コラムにお付き合いいただき、ありがとうございました。皆さんのメンタルヘルスのお手伝いになったら光栄です。最後にお知らせがあります。筆者の川島は社交不安症のカウンセリングを行っています。

・社交不安の改善法
・認知行動療法の学習
・回避癖の治し方
・SSTで会話力をつける

興味がある方は以下の看板をクリックしてご検討ください。まずは気軽にご相談ください。

社交不安障害, カウンセリング

監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連