赤面症とあるがまま,森田療法のやり方③
皆さんこんにちは。公認心理師の川島達史です。私は現在、社交不安症の専門カウンセリングを行っています(興味がある方はこちら)。赤面症コラム1では治療方法を概観してきました。今回は赤面症に対する「あるがまま、森田療法」というテーマで解説をしていきます。
森田療法は100年近く愛されてきた日本人にゆかりが深い心理療法です。是非参考にしてみてください。
精神交互作用と赤面症
〇〇してはいけない…の心理
いきなりですが皆さんにお願いがあります!
「今日はアイスクリームを絶対に食べないでください!!
みなさん、アイスクリームを絶対に食べないでくださいね。」
そして
「アイスクリームを食べちゃダメ・・・」
「アイスクリームを食べちゃダメ・・・」
とつぶやいてみてください。
どうですか。このように言われると、アイスクリームがなぜか、食べたくなりませんか?
精神交互作用とは何か?
このように「こだわると逆にその心理を高めてしまう」という現象は精神交互作用と呼ばれています。赤面症のケースにあてはめると、顔が赤くなることばかりを気にしてしまい、余計に症状を悪化させてしまうのです。精神交互作用のメカニズムは下図の通りです。
あるがままの姿勢を大事に
赤面に対する「強いこだわり」を断ち切るには森田療法の考え方が有効になることがあります。森田療法では以下の姿勢を大事にしています。
症状をあるがままに受け止め、やるべきことに集中していく
赤面症は、赤面に執着することでおこります。まず、赤面へのこだわりを自覚し、あるがままに受け入れていきます。そして、やるべき目的に向かい行動することで赤面症を克服していくのです。
あるがまま‐練習問題
ここからは事例をもとに練習しながら感覚をつかんでいきましょう。
練習問題 1
あなたは、会社の会議で初めてプレゼンをする事になりました。大勢の人前で話をするため緊張が高まっていきます。顔があかくなったらどうしよう…赤面してはいけない…と赤面へのこだわりが強くなってきました。
森田療法を参考にするとどのように考えるといいでしょうか?
解答例
OK例
はじめてのプレゼンだから、不安になるのは当たり前。
赤面症は自然なこと、うまく付き合いながらプレゼンする。
プレゼンは内容が大切。準備した事をしっかり伝えよう。
発表は多少ぎこちなくてもOK!赤面も良しとしよう。
NG例
赤面してはいけない!
どうにか赤くならないようにしよう!
顔を冷やさなきゃ!
練習問題 2
あなたは気になる異性とたまたま食堂で一緒になりました。あなたは相手の事が好きすぎて、顔が赤くなってしまいました。赤くなるなんて、気持ちがバレてしまう、赤くならないようにしなきゃ!と考えると赤面が更に強くなってきました。
森田療法を参考にするとどのように考えるといいでしょうか?
解答例
OK例
好きな相手に緊張するのは自然な事
相手の話を聴いて自分なりに楽しくしてみよう
顔の赤さはご愛嬌
昨日あった楽しい出来事を話そう
NG例
赤面すると嫌われる!赤面しないようにしなきゃ!
緊張してはいけない!赤面症は恥ずかしい
まとめ
赤面症でなやむかたは、ほtんどの方が顔が赤くなることにこだわってます。赤面を自然なことと捉え、こだわりを減らしていくと、肩の力をぬいて人と接することができるようになります。森田療法のあるがまま、やるべきことに意識を向けるという姿勢を大事にしてみてください。
森田療法をもっと勉強してみたい!と感じる方は以下のコラムを参照ください。より詳しく学ぶことができます。
心理学講座のお知らせ
最後にお知らせがあります。筆者の川島は社交不安症のカウンセリングを行っています。内容は以下の通りです。
・人の目を気にする心理の改善
・赤面症との付き合い方
・森田療法,精神交互作用の学習
・人と楽しく会話をする練習
興味がある方は以下の看板をクリックしてご検討ください。まずは気軽にご相談ください。
監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連