研修の概要
心の問題を抱える社員はいませんか
例えば御社には下記のような社員がいませんか?
・ミスを指摘すると過剰に落ち込む社員
・ミスを指摘すると食ってかかる攻撃的な社員
・過剰にがんばりすぎてストレスフルな社員
・報告がない仕事を抱え込みすぎる社員
・仕事ができても人間関係が悪い社員
このようなケースを放置しておくと職場環境のメンタルヘルスが低下し、
定着率の悪化、プロジェクトの遅滞、
売り上げの減少という問題に発展してしまうこともあります。
こうした社員が多いことには、どんなことが考えられるでしょうか?
メンタルが弱いから?人格的におかしいから?
…実はそうではありません。
ちょっとした認知、すなわち“考え方の歪み”にあるのです。
認知行動療法は心理教育の基礎!
現在、メンタルヘルスの現場では、認知行動療法という心理療法を実施し、
これらの社員に対応しています。
認知行動療法とはクライエントの行動や感情の問題に加え、クライエントの認知によりフォーカスし、治療のターゲットとする心理療法です。
認知療法は、ペンシルバニア大学精神科のベックにより、考案されました。
ベックはうつ病患者に特有の考え方があることに注目しました。
ものの見方や考え方―認知を変えることにより、
抑うつ感や不安感を和らげることを目的とした心理療法が認知療法なのです。
認知行動療法は、抑うつ症状や心理的ストレス反応、心理的不適応などに対し、
治療アプローチとして実証的な効果が多数報告されている心理療法です。
アメリカ精神医学会での治療ガイドラインでは、
軽度から中程度のうつ病の第一治療選択のひとつとされています。
また、日本の臨床現場でも多く取り上げられています。
関連書籍も多数あり、まさにメンタルヘルス王道の心理療法として注目されています。
核となる認知の歪みにしっかり対処
認知行動療法の対象となる社員には、
以下の3つの特徴が主にあります。
① 考え方、受け取り方が極端である
② 悲観的な考え方
③ 完璧主義
この研修では、この3つの歪んだ考え方=認知の歪みの特徴と、
さらにこの認知の歪みが元となった未熟な性格(パーソナリティの偏り)に焦点を合わせて、4日間の日程に分けて研修を進めていきます。
例えば考え方が極端な方は、物事を全て白か黒で極端にわけようとします。
「全てが完璧にできないと、私はダメな人間だ…」
「話がうまくできないから、使えない営業マンだ…」
といった考え方に陥ってしまいます。
また、感情的な決め付けをして、証拠もないのにネガティブな結論を引き出しやすいことです。例えば、「取引先から一日連絡がなくて、契約がダメになったに違いない…」
といった、悲観的な考えをしてしまいがちです。
こうした考え方を持っていると、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいますね。
当研修ではこうした認知の歪みに対しての気づきから、行動に移すまでの過程を学んでいきます。さらに、実践的なものへ昇華していけるような具体的取り組みにも触れていきます。
目次
1日目 認知行動療法の基礎
2日目 自動思考の学習と対応
3日目 行動計画書の作成
4日目 現場で認知行動療法を活かそう
詳しい内容
1日目 認知行動療法の基礎
- 認知行動療法の基礎
- 職場で問題となる認知の歪み
- 全か無か思考 選択的注目
- 拡大解釈 恣意的推論
- 思考の歪み確認テスト
- 柔軟な思考訓練
まずは認知行動量の基礎、思考の歪み、考え方の癖を知るテストを行います。自分自身の認知の傾向にも気付き、同じ状況に遭遇しても、さまざまな感じ方や考え方があるタフネスを強化します。
2日目 自動思考の学習と改善
- 状況―気分―思考のつながり(講義・ディスカッション)
- 自動思考・スキーマ
- 自動思考記録表の説明
- 自動思考記録表を実際につけてみる(ワーク)
このワークでは参加者同士が、各参加者の自動思考に対して、さまざまな視点から意見を出し合い、自動思考への理解を深めるとともに、考え方のレパートリーを広げるねらいがあります。
3日目 行動面の改善
- 認知と行動の関係
- 極端な行動をしてしまう社員の問題
- やる気を失わない行動の仕方
- 問題解決のプランを出し合おう
- 仕事力がアップするの行動計画をつくろう
認知行動療法は認知の修正だけなかく「行動のありかた」を修正することで完成する。ストレスをためやすい社員は行動のあり方が極端になりやすく「空回り」した状態になりやすい。自信をつける行動のあり方について学習する。
4日目 認知行動療法を現場で活かそう!
- 自社の心理面での問題をブレスト
- 認知の歪みの発見
- 具体的に修正すればどうすればいいか
- 具体的な振る舞い方に落とし込む
最後は、自社の問題に焦点をあてて社員同士で議論を行います。また講師のアドバイスでロールプレイングを中心に、上司、同僚などの職場の人間関係を円滑にするスキルを習得する。
講師紹介
川島達史
講師から会社様へ
この研修を通して、今まで「手に負えない」「困った」「気がかりだ」と思っていた社員が、実は認知の歪みがあると気付くことで、彼らの思考・行動パターンが理解できます。そして、より良いコミュニケーションのコツが見えてきます。
また、受講する社員の方々が、認知が歪んでいる上司、同僚、部下へのより良い対応を学ぶだけでなく、自分自身の中の認知の歪みへの気付きが得られ、自己学習していくことも狙っています。研修を開催する場合、より実践的に、より楽しく、より盛り上げていくため講師一同精一杯がんばります。