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1.研修の効果は実はわからない

1.研修の効果は実はわからない

研修を導入する上で注意すべき点

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人事や経営者の方は企業研修を検討したとき、どの点に注意するといいのいでしょうか?
今回は企業研修を導入する際のコツについてお伝えします。

効果を実証できている研修は少ない

コミュニケーション能力を向上させるという課題を担当者が突き付けられたとき,おそらく真っ先に思い浮かぶのが企業研修だと思います。では企業研修には果たして効果があるのでしょうか?あえて言えば,「効果がある」ことを科学的な手法で明らかにしている研修会社は皆無だといえます。「効果があるかどうか」の判定は実は統計学的にかなり複雑な手続きを踏まないと立証できないからです。

多くの会社は導入後に,「この研修を受けてよかったか?」というような抽象的なアンケートをとります。そして「よかったが80%」だからこの研修は受けたほうがよいと宣伝しているのです。しかし,「よかった」といっても,これはもしかしたらトレーナーの人柄が
「よかった」のかもしれませんし,気分転換になって「よかった」のかもしれません。ですので,これらの謳い文句を宣伝文とする会社はそもそも,心理統計が分かっていない可能性が高く,講師としてのレベルがかなり怪しいと判断できます。

効果を立証するのはとても難しい

実際に講座の効果があったかどうかを判断するためには少なくとも,その講座に即したスキルを測る尺度を使って2 時点で測る必要があります。例えば人前で話す講座であれば,人前で話す上で必要なスキルを20項目ぐらいに細かく分けて尺度を作成し,これをあらかじめ統計的な手法できちっと信頼できるように整理しておきます。

そして尺度ができたら講座が始まる前と導入した後の2 回で測って,実際点数が上がっているかどうかを測るのです。これでも統計的にはかなり弱いのですが,最低限それぐらいはすべきです。

この点、現実的にはこれらの最低限のことができていない研修がほとんどだと考えていいでしょう。これは研修会社側をかばうとすれば,実は尺度を作るというのは大変な労力がかかるのです。少なくとも1 つの研修の効果を測るための尺度を正確に作るとすると100万円程度はかかります。研修する側の資金的な体力がないためにこれらの作業ができていないという現実的な問題もあるのです。

では、は効果のある研修かどうかわからないという現実がある上で、研修を依頼するにはどうすれば良いのでしょうか?次のコラムで講師選びのコツについて解説をしていきます。

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