5.人間関係系の研修は導入すべき?
人間関係を築く研修は必要か?
ここで一旦話を元に戻しましょう。「ビジネス上」のコミュニケーション研修を導入する際は、以下の3つのポイントが重要でした。
1. 心理的な安定を得る力
2. 人間関係を築く力
3. 情報を生成・伝達・読み取る力
まずは基礎として心の安定が必要であることを解説してきました。今回は人間関係を築く力について解説していきます。
人間関係を築くとは,朝挨拶をしたり,御礼を言ったり,お客様に笑顔を振りまいたり、聞き上手になる、などの,基本的な人間関係を築くためのスキルです。わりとイメージしやすいのではないでしょうか。人間関係を築く力は必要ですが、会社の業態や部署によってその大きさは変わってきます。
例えばアパレルなどの店頭に立つ仕事をする販売員にとっては,言うまでもなく人間関係を築く力が重要になってくるでしょう。そのため、企業研修としては人間関係を築くための研修が役に立つでしょう。メンタルヘルスに問題がないのであればスマイル研修、接客研修などが適しています。
しかし,例えば開発系部門ですと話が変わってきます。多くの会社の人事評価に「協調性」があると思います。確かに協調性は人と人が組織される会社であれば大事であることは間違いありません。しかし,もし会社のなかに天才肌の開発力がある人がいたとして,協調性がないから評価が下がってしまうとしたらこれは会社にとって大きな問題となります。
開発部門に求められるのは,あくまでも社会に必要となる商品の情報を生成することであって,大事なことは社会に必要な商品を作ることなのです。いくら人間性がよかったとしても,それはあくまでも会社内部のことであって,社会から必要とされるのは,独創的な商品であるはずです。人事評価は部署ごとにその重要性が変わるということはまずは押さえておかなくてはなりません。研修としては、人間関係を築く研修は最低限入れるとしても、問題解決型の思考を学ぶ研修や、ブレーンストーミングなどの研修も考えていかなくてはなりません。