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3.心理系研修は臨床心理士か精神保健福祉が基準

3.心理系研修は臨床心理士か精神保健福祉が基準

前回は研修依頼の注意点として講師の統計学への理解を挙げさせていただきました。
今回はもうひとつの基準として講師が保有する資格について解説していきます。

肩書きを鵜呑みにしない

イラスト

コミュニケーション能力の世界は極めて広く,曖昧であるため実はこれといった資格は存在しないのが現状です。そのため講師の肩書きのなかには「米国○○協会認定」「内閣府認定○○」といった資格を名乗る方がいます。しかし現実的にこれらの資格にほとんど意味はないと思ってください。これらの資格は通信制であり,数十万円の研修を3 日間受けるだけで発行しているような肩書きのためだけの資格がほとんどだからです。

実際私は勉強している時代にこれらの研修を受けたことがあるのですが,ほとんど意味がありませんでした。もちろんこれらの資格を名乗っているから即ダメだということではありませんが,鵜呑みにしないでください。それよりも「その講師の方は統計学を理解していますか?」のほうが決定的な判断要素になるのです。

心理系の研修では院卒、臨床心理士は1つの基準

あえて信頼できる資格を挙げるとすると,大学院を卒業している講師です。大学院では修士論文を書く際に専門的な研究方法を理解します。そのため研修に客観的な効果があるかを判断する力を持っていると判断できます。

院卒以外の基準として資格も挙げられます。コミュニケーション系で信頼できる資格としては臨床心理士,産業カウンセラー,精神保健福祉士が挙げられるでしょう。
特に心理系の資格については臨床心理士が勉強時間・専門性共に圧倒的にあります。心理系の研修の際は臨床心理士に絞ってもいいぐらいです。

経験が豊富であれば、精神保健福祉士、産業カウンセラーの方も検討してみてもいいかもしれません。

人間関係、情報系の研修は経験重視

心理系の研修以外であれば、そこまで学術的な面にこだわらなくてもいいと思います。というより、学問の世界でもこの分野の研究はほとんど進んでいないので、学術分野からは良い先生がなかなか出てこないのが現状です。

そのため人間関係・情報系の研修では現場での経験が非常に重要になってきます。講師としては研究もできて一人前だといえると思いますが,現実的にはそこまでできる講師はあまりいないので,実践的な側面を押し出した講師を選ぶのも1 つの手段となります。例えば経歴としては元アナウンサーの方,元営業の第一線で活躍された方などのなかには実力がある方が多いので検討するとよいでしょう。

研修の内容は出来る限り具体的に明示されている研修が良いでしょう。
精神論的な研修は心理系では良いですが、
人間関係、情報系の研修は体系立てられ、
やることが明確な研修が理想です。

研修の計画を立てる際によく吟味をしてみてください。

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