8.1日1時間ルールを作る
別の部門の活動に関わる仕組みを作る
コミュニケーションをとる時間を確保する上では、部門間の交流の機会を作ることも挙げられます。開発部門の社員を営業に同行させるのもよいでしょう。経理が営業に同行してもいいのです。ある程度打ち解けた部署同士であればその目的を言えば理解してくれるでしょうし,またそういった取り組みに興味を示してくれるかもしれません。また,ただ同行するだけでは意味がないので,きちんと目標を持たせて行くべきです。
経理でも営業に同行できる
営業に同行する以上は,1 つの分野についてだけは勉強しておいて,代わりに説明をさせましょう。経理が営業に同行する会社はほとんどないと思いますが、大型の取引のときなどが手形サイクルの説明など意外と活躍できる機会はあるものです。このような機会がある場合は積極的に経理の方にも動向をお願いしましょう。
新しい試みを始めると,必ず面倒くさがる社員が出てくると思います。ただでさえ仕事が忙しいときに,コミュニケーションに関するまどろっこしい活動を導入したとしても,「目に見えた成果」が得られるものではないからです。
1日1時間のコミュニケーションが活発な社風を作る
人間関係を大事にする風土を根っこのところから作り上げていかない限りは,永遠に社員のコミュニケーションスキルは向上していきません。少々乱暴に結論づければ,日中パソコンの前にへばりついている社員をその画面から引っぺがし,お昼もアフターファイブも社員同士の関わりが薄い社員を,人と関わる場に出てくるような仕組みを作らなければ,社員のコミュニケーション能力は永遠に変わらないと覚悟してください。具体的には最低でも1日1時間は対人コミュニケーションをとる時間を確保するようにしましょう。
これは一見,会社の業績と相反するリスクもありますが,長い目で見れば必ず社員のメンタルヘルスと人間関係力の向上に役立ちます。そして,結局それが社員の定着率の増加につながり,経費を押し下げ,また社内の情報効率を上げると考えるといいでしょう。
血のにじむような努力が必要になると思いますが,もしこれらの仕組みを会社に導入する場合は不退転の決意で実行していただきたいと思います。どんな社員も最低でも1 日1時間は話す時間を作れるよう,目標を掲げて進めましょう。
今回は会社でできる環境作りについて一部お伝えしました。コミュニケーション能力の向上は日々過ごす会社の環境を変えてはじめて高くできるものです。経営者・人事・総務、また環境を変えることのできる立場の方がまずは率先して職場の環境づくりを考えていきましょう。