5.ランチタイムの活用
会社では毎日ランチタイムがありますが,この時間は雑談力を鍛えるにはもってこいの環境なのでぜひとも活かしたいところです。ランチタイムは社交性のある社員にとってはとても楽しみな時間です。社員に社交性があれば,会社が特に何もしなくても,ランチタイムにたくさん話してスッキリし,午後の業務に戻っていくでしょう。
社交性のない社員にとってランチタイムは苦痛
一方で,社交性のない社員にとってはとても苦しい時間帯となります。皆さんの会社にも,ランチタイムになると,お弁当をパソコンの前で開いて黙々と食べている社員や,いつも1 人で抜け出して外でご飯を食べてくる社員はいないでしょうか。そういった社員は
日常的にコミュニケーションする機会を自分から奪ってしまい,コミュニケーションスキルが日々減退していく恐れがあります。そのため会社としては,これらの社員にも会話に参加してもらうようなランチタイムのあり方を検討する必要があります。
ランチタイムは創造的なアイデアが出る
具体的なランチタイムの活かし方ですが,まずはランチタイムミーティングが挙げられます。ランチタイムミーティングはその名の通り,お昼ご飯を食べながらの会議です。会社で行う会議では場が固くなり,本音が出にくいなどの問題があるのですが,ランチタイムミーティングではご飯を食べながらですからリラックスした雰囲気になります。
雰囲気がよくなると,いつもよりも創造的なアイデアが出やすいなどのメリットがあ
ります。ランチタイムミーティングは数年前からかなり流行っているので,すでに皆さんの会社でも導入されているかもしれません。何より,社員同士のコミュニケーションを促進するというメリットがあるので前向きに活かしていきたいところです。
コミュニケーションが好きになるには賞賛が必須
さて,これらの仕組みを作れば,コミュニケーションから逃げている社員も本音では嫌だ
と思いつつも,出席せざるをえない状況になります。しかし,「場」ができたとしても,その場で個人が孤立すると,「自分はこういう社交的な場ではなかなか話せない」
というレッテルを貼ってしまい,コミュニケーションがさらに億劫になってしまう恐れがあります。特にいつも孤独な社員については,相当気を使わなくてはなりません。具体的にはやはり発言の機会を絶対的に確保したり,賞賛する機会を必ず作る仕組みを構成したりする必要があるでしょう。
発言する機会の確保としては,ランチタイムミーティングでは1人の持ち時間を決めて,社内の問題点を列挙して,ゴーアラウンド方式(時計回りに順番に発言していく)で回答していくなどが挙げられます。自由に発言する方式だと,どうしてもスキルが高い人が
会話を独占して,スキルの低い人が話せないことから,その会合自体に意義を見出せなくなるなどの問題も発生してしまいます。
出席者にはある程度積極的に発言する機会をしっかり作るとよいでしょう。